それは日が落ちる夕闇の出来事です
小さな箱の中に、小さく震える君が見えました
思わず駆けて、抱えあげてみると
冷えたもふもふの奥に、お日様を感じました



お母さんの反対は押し切りました
お父さんの溜め息は無視しました
君の入った箱を部屋まで持って
「まずは君に新しい名前をあげるね」


疲れたような君の眼差しに
私は少し泣きたくなりました
にゃんこの癖にほんの少し生意気です
お風呂の時間が楽しみになりました


ふわりふわり、流れる風
お空の雲に君を見つけました
少し気だるげに流れる姿が
なんだか君に、似ていたんです




お父さんが家を出ていきました
お母さんは毎日不機嫌です
「ただいま」の返事はもう返ってこなくて
こどもの私は、我慢するばかりです


呑気な君と腕の痣を見比べて
「君もこんなんじゃ幸せじゃないよね」


「ごめんなさい」
何度も口にしても
君に伝わるはずないのに
私を見上げる小さな君に
私は謝ることしかできません



そこは君と出会った場所
あのときの箱はもう君には大きいみたい
お日様のような君をゆっくり降ろして
私は無理矢理笑いました

「さよなら」



ふわりふわり、流れる風
お空の雲に君を見つけました
少し気だるげに流れる姿が
なんだか君に、似ていたんです




それは日が落ちる夕闇の出来事です



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ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

少女トワイライト

見上げた空の雲が君に似ていました

薄闇に熔ける、掠れたあの日の愛の歌―――



二作目です!!野良猫ライフタイムと合わせて見てみて下さい!!

閲覧数:83

投稿日:2016/04/16 02:30:31

文字数:580文字

カテゴリ:歌詞

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