☆1Ａ
記憶の森の中に
置いてきた影法師
分かり合えない理由
捜して磨り減ってく

☆1Ｂ
この胸を満たす棘も
風船みたく
弾けて消えてしまえば

☆1Ｓ
どうして 望むように
歩めぬのでしょうか？
もしも 上手く出来たなら
頬を濡らすことは無いのに

どうして 言葉だけが
足りないのでしょうか？
もしも 上手く話せたら
舌がざらつく事は無いのに


☆2Ａ
期待の痕へ蓋し
捨ててきた罪悪感
痛み合えない理屈
重ねて切り潰して

☆2Ｂ
この声を繋ぐ息も
方舟みたく
まみれて沈み落ちたら

☆2Ｓ
どうして 軋むくらい
削り合うのでしょうか？
もしも 上手く笑えたら
膝を着けることも無いのに

どうして 言葉だけが
絡まるのでしょうか？
もしも 上手く告げたなら
喉が張りつく事も無いのに


☆Ｃ
流されまいと 踏み留まれば
水の勢いは増して
還る術が見つからないんだ
昨日より 優しくなりたいのに


☆1Ｓ
どうして 言葉持つのは
“ヒト”だけなのでしょうか？
もしも 音さえも喪くしたら
頬を濡らす夜も無いのに