――街は楽園を見せる



「――ここは、どこ――?」



 ――望んだものが望むように。



 ――それでもまだ


 ――彼女は紛い物のカミサマだった。





≪冒険少女と箱庭遊戯【自己解釈】≫


 はろー。私の名前はミク。
 そんな通信みたいなことはおいておくけど、気づいたらサイコロと、道と……。あれ?


 これって、人生ゲーム?

(いや、スゴロクだろ!)

 ってどっかからツッコミがきたので、恐らくスゴロクなんだろうなー。そうと願いたいよ。というかそういうことにしとこっと。

 そういえば二つのサイコロが転がってるんだけど、どうすればいいのかな? って思うと目の前に看板があった。


『サイコロ振ってすすめばたぶん幸せになれる』


 うわっ。怪しすぎる。しかも看板の隅っこに小さく『かもね☆』とか書かれてるし。かもね☆ってなんだよ。一番気になるよ!

 ――おっとおっと。冗談はこれまでだねっ。んじゃ、さっさとサイコロ振っちゃって~……。

 ころん。

「なにがでるかなーなにがでるかなー」

 ずちゃちゃずっちゃんずちゃずちゃん♪

 思わずなんかのテレビ番組の曲を口ずさんじゃって、私はサイコロが止まるのを待った。


 すると――






 『1』
 『1』

「ふざけんなあああああああああああああああ!!!!!!」

 思わずサイコロを投げつけようと思ったけど、とりあえずサイコロ投げても転がるだけだし! レッツポジティブシンキング! きっといつか12とか出るさ!

「えーと……2マスかあ……」

 とりあえず進む、っと。なんだか私以外にもコマがあるけど、すごいなー。膨大な数がある。“まるで全世界の人間がいるみたい”な……。

「おっと、また私の順番?」

 そんな自己思考に至っていたら、順番が回ってきたみたいで。私は思い切りサイコロを振って。

「今度こs――」



 『2』
 『1』



「1増えただけじゃねえかああああああああ!!!!!!」

 もはや話すタイミングすらなかったじゃん!! なにそれ!!

 というかこれ以上進まないってどういうこと?!

「……ポジティブ、ポジティブー……」

 まあ、あとできっと帰ってくる――よね?




「――なによこの森ー」

 7マス進んだ場所にあった鬱蒼と生い茂る森。蟹をよけたらこんなんでてきたって、森と海の距離近くないですか?

「まあいいやー。抜けちゃえっ」

 ずかずかと進んじゃえばいいのです。どうせエフェクトもイベントもないんだから(断定)。

 森を抜けちゃえば日が当たって、お茶会出来るんだ。

「やったー。森抜けたー」

 ――けど、なんだか楽しくなくって。むしろ時間が勿体無いと思っちゃうんだ。イライラしちゃうんだ。





 ――何故だろうね?





 3つ進んであるときは王子様とダンスを踊って、ガラスの靴をわざと落としてみせたり、5つ進んで密林の秘境に迷い込んでナスカの地上絵みたいなあれを見つけたり、8つ進んで街に着いたと思いきやこのピンクのパーカーをみて異端者とか言われて追放されちゃったり。

「ふーん。この双六もやりごたえあるねー……ってか√2マスとか無理だろー。割り切れないよー。1.41421356...マスとか不可能でしょー」

 とか言いながら進もうと考察してるけどね! 隙間あるんじゃね? とかさ! そっちの方が面白そうじゃん!

 でもさ、進んでいるうちに不思議に思うんだ。

 時間とか空間とか、こんな長いスゴロクの中じゃあんまり感じないけど忙しなく思える。

“自分ってナンナノ?”

 ナンセンスで、そんなのわかんない。

 夢でもうつつでもいいんだ。例えそれが幻としても自分が見えてるものすべてに触れたくなっちゃうものでしょ?

 賽の目はどんどんと加速していった。

 二つ角した星座の手招きを見送って、霧の河原を渡り――

「もう疲れた」

 そう思った頃には、あたりにいた人は殆ど消えちゃってて。

「なんで、ひとりにするの? 遊びはもう終わり?」

 そう思って私は――翼を得て、もう一度振r――







「――何故だろうね?」







 gれつとqしつ、合わせて13マス。ゴールにあるものは――見覚えのあるベッドだった。ああ、もうお休みの時間なんだね。遊び足りないよ。まださみしいよ。

 寂しいよ。けど、仕方ないよね。

 明日もまた――楽しい箱庭の住人さん――遊ぼうね。




ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

冒険少女と箱庭遊戯【自己解釈】

一人称で書いたほうがそれっぽいかなあ、と。

原曲様:http://www.nicovideo.jp/watch/sm17771227

世界観は相変わらず大好きです。取り込まれます。

閲覧数:3,080

投稿日:2012/05/10 00:09:36

文字数:1,893文字

カテゴリ:小説

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