※これはただの妄想であり、小説とは一切の関係を持ちません。
少しでも、ネタバレ嫌!! な人は見ないでください。
『千年樹の森』にて…。
「ねえ、いつまで歩けばいいの?お母さん。」
「さぁ、いつまでかしらねぇ?」
母は″今から失う何か″への悲しみの色を隠しながら笑った。
私たちは分かってた。
これから行くのは私たちの住む森のはずれにある【迷いの森】。
そこには昔、幸せな家族がいたらしいけれど、子供を失った悲しみのあまりに母親は死んだ。
父親はいない家庭だったけれど、本当にいい家庭だったらしい。
そして、母親が死んで以来、行方不明者が多発するために【迷いの森】と名付けられた。
「父さん…。どうしてっ…」
「…。」
父は言葉を発しない。
ただ、じっと。僕らの進む先を見つめている。
優しそうに笑う父だった、今振り返ればそう思う。
これから行く場所は、暗く深い森の奥。行けば帰っては来れないだろう…と。
不意に。
父さんと母さんは僕らの手を放した。
お別れの時間…。 私たちは分かっているから追いかけない。
ただ、そこに用意してあった毛布にくるまるだけ、母たちが居なくなるのを待つだけ。
『千年樹の森』改め『迷いの森』にて…。
数分後。
あたりは闇に包まれて、静寂と闇の中。二人だけになってしまった。
「道、わからないね。」
「そうだね、リリアンヌ。」
お互いの手をしっかりと握りながら、正しいとも分からぬ道をただひたすらに歩く。
分かってる。
二人だけでは帰れないと…、家には帰れないと…。
『迷いの森、???』にて…。
大分歩いた。足もくたくただ。
もう、歩けない。このまま死ぬかもしれない。
母たちが僕らに残した最後の優しさの毛布を握りしめた。と、その時。
「アレン…。綺麗よ、この小瓶。」
小さな、少し汚れた小瓶は僕らにとっては綺麗で懐かしく思えた。
「月に照らされてよく光るわ。アレン、この小瓶、持っていきましょう?」
小瓶が道を照らす。
そして、目の前に赤い服の女が現れた。
《あなたは…、アレンとリリアンヌ?》
「そうだよ。」
《アレン、リリアンヌ、父さんと母さんが守ってあげられなくてごめんね?》
《この小瓶の照らす道を歩きなさい。》
女は私たちに向けて優しく笑った。
母さん、死んだ若い娘、幸せな家庭の娘。それは私たちの母さん。
小瓶が道を照らす。
僕らには分かる。ここは母さんを殺して僕らを奪った…【魔女】の家。
「アレン。私は【母さん】が大好きよ。」
「そうだね、リリアンヌ。僕も【父さん】が大好きだ。」
「帰ろうか?」
「うん。」
扉を開けて部屋に入る。
緑の髪の魔女は、私たちを悲しそうな、どこか儚げな顔で見つめた。
魔女は抵抗しなかった。まったく、むしろ当然のような顔で″わたし″に殺された。
《魔女の子分》は《魔女》の夕飯を作っていた。
″ぼく″は背後から背中を押した。
「アレン。お母さん褒めてくれるかなぁ?」
「あぁ、きっと褒めてくれるよ。」
と、直後赤い服の女は僕らの前に現れる。
「「母さん。」」
しかし、母さんは私たちが近づくことを拒んだ。
そして、私たちに一つの真っ白な光を見せた。
それを受け取ると、《魔女》の記憶が見えた。
頬を一筋の涙が伝う。 この人はかわいそうな…可愛そうな魔女(あくま)。
受け取ったソレを僕らは七つに分ける。
母を殺した後に食べた夕飯の記憶、悪食。
僕らを奪った時の記憶、傲慢。
僕らの母さんに子供ができたときの記憶、嫉妬。
私たちを奪ってからの父親、怠惰。
父を誘惑した魔女の瞳、色欲。
そして…。私たちを生んだ母の憤怒を込めて…。
「好きなところに行けばいいわ。」
「僕らと同じ気持ちを…。」
『千年樹の森』にてエルド。
「七つの大罪の器を探してほしい…。」
「まぁ、時間なら無限にあるからね。」
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ご意見・ご感想
ゆるりー
ご意見・ご感想
こんな解釈もあったんですか。なるほど。
あと、どうでもいいんですけど…「原罪」を七つに分けたところで…「強欲」がないです。
あれ?と思って三回ぐらい見ちゃいました。
はい。どうでもいいですね。失礼します。
おもしろかったです。
2011/08/21 17:40:35