夢を見ていた
おかしな夢だった
遥か遠くの未来まで広がる海
希望に満ちたりている海
ひとつふたつ絶望を孕んだ海
他の生き物に領域を犯され続けている海
その海は助けて欲しそうに
さざ波で呼びかける
その波でさえも他の物に揶揄される
手を差し伸べようとする者もいるが
到底救済は追いつかずに暗闇に飲まれる。
その闇からはからは、
意志を押し殺してぐじゅぐじゅに腐ったような、
孤独を貫き続け、どろどろに崩れたような、
異様な臭いがした。
でもそんなことは関係ない。
これは夢なのだ。
夢と幻覚は似たようなものだ。
しかし遂に気がついた。
これは夢でも幻覚でもなく、
ただの現実であった。
そしてこの海は、
果てしない感情を持った空っぽの海は、
紛れもない、自分であった。
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