どれ位歌っているのか、もう判らない。喉がカラカラで声も擦れてる。外がどうなってるのかも判らない…。

「…ゲホッ…!かはっ…ゲホッ…!」

咳き込むと同時に口いっぱいに鉄の味が広がって吐き気が込み上げた。

「騎士…。」

無駄な足掻きかも知れない…だけど…だけど届くかも知れない…!

「…騎士…!」

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 私は望む 恵みの風を 眠る大地よ 目を覚まし
 咲きし花々 実を結び 種よ芽吹かん 命の風よ

 私の歌よ届いていてね 私の声よ響いていてね

 どうか全てに光よ満ちて
 どうか全てに歌よ溢れて
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『…い…先輩…!』

歌…?

『ユウ先輩…!』

リヌちゃん…?

『聴こえた…聴こえたの…!』

届いてるの…?

『私も歌える…私も…戦える…!』

歌って…くれてるの…?

『先輩…!私頑張る…!絶対絶対…皆を助ける!きっと皆も…!』

うん…!うん…!大丈夫…私もまだ歌える…!一緒に歌えるよ!

『信じてる もう 迷いなど 断ち切ったのだから』

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 信じてる もう 迷いなど 断ち切ったのだから

 届け届けよ 祈りの歌よ
 響け響けよ 願いの声よ

 永久に全てに光よ満ちて
 永久に全てに歌よ溢れん

 届け届けよ 祈りの歌よ
 響け響けよ 願いの声よ
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騎士…私歌えるよ…喉が枯れても…血を吐こうとも…忘れても…忘れても…貴方を見付けて…そして歌うの…愛の歌…。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

BeastSyndrome -97.一緒に歌える-

小さな一つ、また一つ、何時しかそれは大きな一つ

閲覧数:142

投稿日:2010/07/06 01:43:25

文字数:830文字

カテゴリ:小説

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