海法師

情けないないや
どうにもならないところで
火を消して
許せないないや
逃げたところで潰れて
落っこちたリンゴ
「僕は君のために言ってます」
「話してます」
徹底的に突き落として
突き刺してます...

黒い大きな瞳が揺れる
わたしは私はワタシは迷子
太陽は月と混ざったハチミツ
空はベリージュース
きっときっと自分のせい
タバコの臭いも先生の声も
全部腐って落ちたリンゴ
甘い飴を下さいな？
こんにちは！ ダークグラウンド
さようなら！ 時代遅れのエラー...

遠く窓から見える海が
光を浴びて乱反射する
日差しが肌をチクリと刺す
目を細めても揺らいだ陽炎
視界は滲む一方で　波の音
赤く染まる雲と影
足下に伸びる自身
風を浴びてどれくらい経つか
四角いここから出て行けない
視界は微睡みやがて　雨音...

空は水色のクレヨンで
海は青色のクレヨンで
肌は肌色で塗るんだよ
ずっとそうしてきたでしょう？
髪は黒色のクレヨンで
瞳も黒色のクレヨンで
口は赤色で描くんだよ
そうしてやってきたでしょう？
スタンダード・モデルの化学
ありきたりでなきゃ怖いよな...

　
オリオン
寝静まる夜を超えて行く
青い絵の具を塗った様に
瞬きするのが惜しい様な
別に暇ではないのだけれど
虚ろな水槽に泥水注いだみたいな
そんな時だってあるのだから
こんな日があったっていいと思う
画崩れ起こした内側に...

　
楓　風に吹かれて舞う
僕は風に巻かれて思う
この広すぎる世界で
たった一人でも構わないから
誰か僕を見てくれないか
椛　光を浴びて騒ぐ
僕の胸には灯らない
あの強い臙脂が
少しでも慰めになるのなら...