楓 風に吹かれて舞う
僕は風に巻かれて思う
この広すぎる世界で
たった一人でも構わないから
誰か僕を見てくれないか

椛 光を浴びて騒ぐ
僕の胸には灯らない
あの強い臙脂が
少しでも慰めになるのなら
どれだけよかっただろうかと

高度経済成長とホームレス
反立する裏と表
中身は目隠しされていて
誰もが歩みを止めてしまった

きっと 今日より明日と願うけれど
月が綺麗だ 今夜も変わらず
だから何も変わらないのさ
不変を求めたのは僕らだった


櫨 もうすぐ白くなる
あっという間に季節は巡り
陽は足早に海へ帰る
誰か僕を見てくれないか
誰か僕を見てくれないか

団塊世代にゆとり世代
迷いが生んだ結果は薄墨
今では悟った人間達が
孤独を愛して冷めている

きっと 知らないことが沢山あって
人の声だけ 高く積まれる
変えてしまったものの多くは
失われても意外と耳に届かない


蜃気楼 ダイアモンドダスト
流星群 ホリゾンタルアーク
水平線の先の魂 地平線の先の命
取り残された僕なんて
誰一人として見てやいない


きっと 今日より明日と願うけれど
月が綺麗だ 今夜も変わらず
だから何も変わらないのさ
不変を求めたのは僕らだった

きっと 枯れ葉は無慈悲に運ばれて
大きな炎に焼かれて消える
僕は今夜も外を眺めては
月が綺麗だと思っているだけ

まるで 何にも気付けないまま
 

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい
  • オリジナルライセンス

オータム

楓→かえで
椛→もみじ
櫨→はぜ(はぜのき)

とある秋の日の哀愁を文章にしました。
季節が巡るのはとても早いです。

閲覧数:5,290

投稿日:2020/09/15 00:16:37

文字数:594文字

カテゴリ:歌詞

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