のばの投稿作品一覧

気だるい午後のまどろみに浮かぶ　天地左右が逆さまの虚像
目ぶたの奥にはめ込まれた眼は　キズだらけのガラス玉
とろけていく脳髄の中には　生ぬるく甘い明日への希望
目覚めていればそれが現実　眠っていればそれは夢
いるはずのない君の姿を　僕はいつも探し求める
今を夢幻と偽ってみても
昨日と同じ今日が過ぎれ...

あなたが教えてくれた南の空は
褪せて掠れてほつれて穴があいていた
繕おうと手にした針には
糸通す穴がなかったの
あなたが教えてくれた南の空は
焼けて焦げて溶け落ちて穴があいていた
こぼれる雫を手のひらに受けて
穴のあいた針で啜ったの
昨日まで霞んでいた
めくるめくような明日の記憶...

当たり前に目を覚まし
当たり前に家を出て
当たり前の太陽の下で
当たり前の日を過ごす
当たり前に手をつなぎ
当たり前に髪を撫で
当たり前に頬を寄せ
当たり前にキスをする
目を開け
耳澄ませ...

あの頃はまだ若かった
青臭くて硬かった
花は咲かせたが平凡だった
おまえの手が必要だった
図体だけは大きくなった
うずくまってたら尻から腐った
日に照らせれて色褪せていった
おまえの手が必要だった
俺を連れていってくれ
俺の種を飛ばしてくれ...

届かない言葉
届かない音楽
ただ空気を揺らして消えていく
浮かばない思い
浮かばない意識
ただ絞り出す4000Hzの呻き
音だけの言葉
実のない忠告
ただ鼓膜の外で霧散する
上辺だけの謝罪...