迅Ω

雨粒濡らす窓
越しに外を見ている
枝に止まり雨宿り
二羽の鳥たちを見つけた
雨が上がり飛び立つ
広い空自由に舞う
絵本の中の鳥さん
かごの中不自由
瞳を閉じて眠りにつく
大好きなこの絵本抱いて...

雲ひとつない空
さわやかな風が吹いて
わたしの気持ち乗せて
飛んでいく紙飛行機
保育園からずっといっしょ
となりの家住んでるキミ
登下校から放課後まで
遊んでたわたしたち仲良かったよね
中学生になってからは
急にモテだして驚いたよ...

心から溢れ出す
わたしの気持ちの一雫
水面(みなも)に落ち波紋を作り出して
外に向けて広がって
心の中囲いを立て
ただ閉じ籠っていた
波紋が跳ね返って
また打ち消し合って
底に沈んでいくのわたしの気持ち
ぼやりと広がり積もっていく...

月曜日の朝の　通学路はみんな
気怠そうに歩く　けどわたしは違う
だって学校に行けばあなたに　会えるんだもん
足取りも軽くスキップしちゃいそうな気分
月火水木金土日頑張れるのは
あなた想うエネルギー　テストで100点取れそうなほど
わたしの毎日　明るくしてくれる
見てるだけで幸せ　私の電池(バッテリー...

スポットライトが当たる
大きなステージで
歌い踊り輝きを放つ
わたしだけを見てね
オーバーチュアで始まる
わたしのステージが
ファンのみんなの歓声
ここまで届いてる
飛び出したみんなの前
『盛り上がっていくよ～！』...

どこからか夕飯の香り
窓から包丁の音が聞こえる
昔わたしの母もこうやって
美味しいご飯を作ってくれたな
トントングツグツ料理する
軽快な音たち心地いい
香る味噌汁のにおいで　わたしのおなかが鳴る
台所に立つ母
後ろ姿は綺麗で
美味しい料理が並んだ...

夏休みある日
プラネタリウムで
見上げてた星座
キラキラと綺麗
後ろの席から
聞こえたのキミの声
星たちの秘密
全部覚えていた
空からの語り
何も聞こえない...

SMAAAASH!!!!
飛び起きたベットの上
朝練に遅刻だ
役立たずのアラーム
壁めがけぶつけた
満員電車に駆け込んだ テニスバック 背負ったまま
周りの視線が刺さる もーうんざり
中学生の時の
アイツらとおんなじ
見られてるだけならば...

校庭の隅の
大きな木の下で本を読んでいた
わたしの瞳に
映るこの世界はいつもモノクロで
ボールが転がってきて
顔を上げたらそこにキミが
『ごめん、そのボール取ってくれないか？』
そっと手に渡す
感謝の気持ちのスマイル
キミの明るいその笑顔目を奪われ...

キミと初めて会った
あのときのこと覚えてる？
あんな出会い方あるなんてね
満開の桜が
咲いている木の下
キミは制服をかけて寝ていたの
2枚の花びらがひらり
キミのまぶたに舞い降りる
顔をのぞいたら
キミの目がハートみたいでね...

雲のない空の下
強い春風が吹き桜を散らした
舞う数多の花びらヒラヒラと揺れて
ただ儚く散る
見える世界は桜色
美しい風景
一つ一つの花びらは
命の灯燃やして
自分の生きていた証
人の目に焼き付けてる...

新学期のクラスの集まりで
端で一人黙っていたのに
君は急に話しかけてきたね
『キミのアクセすごくかわいいね』
そんな言葉初めて聞いたから
キョトンと目を丸くしていた
だけど君はなにもなかったように立ち去ったね
他の子のところで君きみが話してる
楽しそうな君笑顔でいる
なぜか胸が苦しいの...

桜並木の坂道で
はじめて逢った
あなたの姿一目で
胸がキュンとしたの
通学路登るわたしの
横、自転車で
通り過ぎていくあなた
目で追いかけていた
名前もまだ
知らないような関係...

二人でいっしょに過ごしたこの部屋
キミとの思い出があふれ
お揃いで買ったたくさんのモノも
ひとつを除いてならんでいる
二人で選んだペアの腕時計
あの頃は同じときを刻んでた
むかしと変わらず針は進むのに
いまは違うときを刻んでる
キミとボクおなじ景色
見ているはずだったのに...

空に届きそうな
無機質なビルの群れ
高くなりすぎて
神の怒りを買った街は
言葉を変えられ
混乱が巻き起こり
人々はやがて
争う神の思惑通りに
ビルを造った 僕らの技術
兵器を生みだして...

無邪気な神様の遊び
小さな手が起こす戦争
この戦いに意味はない
神様の気まぐれ
ぜんまい一巻きで動く
古ぼけたブリキの人形
空虚な兵隊は今日も
戦いを始める
ぜんまいを巻いて戦う兵士はほどけきろうとも
もう一度巻かれて戦う神が寝るまで終われない...