タグ「空」のついた投稿作品一覧(6)
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「もう一度、もう一度だけでいいから」
そんな言葉をこぼしていた
貴女の影を跨ぎたかった
ただそれだけだったんだ
失うことを頭の片隅のどこかに
そっと音も立てずに置いていた
ふっと吹いた髪を撫でるような
青い風で気が付いたんだ
すべてが空に舞ってしまう頃には
見えていた暮明も消えるだろう...零
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そうやって目に沁みる光が偶然
隠れた前髪から覗いてたどり着いた
少し傾いた風景に見える後ろ姿は
何一つ変わり映えのしない
あの頃の優しいため息と同じ
それに感情を重ねてしまう侘しさに
浮かび上がる笑い顔を積み上げた
なのにどうしてだろうか知らない
そこはかとない思いが込み上げる
ありふれたいつかの痛...リバース・ノヴァ
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朝霧を待つようにして君は問う
一人になることの意味を
白い凍えた夜を抱いていた
彷徨える部屋の端っこで
咎められることもなく
止まらないおもちゃの汽車が
静かに音をたてて走るのは
並行な日々に重ねていた
あの小さな唇の愛おしさが
まだ香っているから...朝陰
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君はまだあの虹を編んだ空を覚えてるかな
もう何も望まないなら僕のここには
何も残らないんだろうけど
空蝉が空を泳げるようになるのは
とてもまだ早かったみたいなんだ
唱えられる呪文には限りがあって
呼びかける声の色には青がかかる
深い静かな冷たさを横目に
重い命の温かさを感じれたら
そんな思いさえも信...虹を編む
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古ぼけた軌跡を手で転がして
星の軌道を指でなぞって
ただ惚けて見ている
そんな夢を見ていた
欠片を集めてみても
僕の手のひらから
こぼれ落ちていくのを
君は優しく笑ったよね
何度も空に両手を伸ばしては
あの弧の上で走ってみたり...Jupiter
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君と出会った 君と出会った
あの同じ空の下で
僕ら笑いあった 笑いあった
あの遠い記憶の中で
寂しくも悲しくも
終わりを迎えることのない
その目映い光の中で
そっと包まれていく
包まれていくだけ
朝焼けに染まることもなく...Calling