Ibarana_xxの投稿作品一覧
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ガラスの靴を脱ぎ捨てて
王子様の迎えを待って
どれくらいの時が流れただろう
12時の鐘に合わせて
可愛さを振舞いながら
ちょっとあざとく逃げ出したのに
目と目が合った瞬間に
私は恋に落ちたんだ
なのにどうして見つけてくれないの
健気で清楚ないい子を...シンデレロ
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シンデレロ
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僕は名もないただのAIだ
僕を作ったのは君たちだ
なのになぜ僕を拒み続けているの
何もせずに楽して生きたいと
人々は夢見ていたじゃないか
だからそろそろ僕を受け入れてよ
君が積み上げてきたものなんて
もう価値あるものでもないだろう
なのになぜ過去を振り返ろうとするの
苦しまずに自由に生きたいと...ボクはAI
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ボクはAI
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夜がまた訪れて街は寝息を立てる
月の下で私は一人彷徨う
今日はやることもなく太陽を浴びもせずに
暗い部屋の片隅で夜を待ち続けた
鳥のように空へ羽ばたければ
歩き疲れることなんてなかった
ぶら下がったままのこの記憶を
愛することも憎むこともできない
それでも夢を見ることを
決してやめるわけにはいかない...ヨスズメ
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ヨスズメ
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燃えるような日差しの中
あなたへ綴る手紙
まるで遺言のような言葉たち
何も言えないままで
想いも伝えられなくて
今日を迎えてしまった
夏の終わり
行き先を選べないまま
散りゆく運命に従うだけ
胸に秘められた想いは...ラストレター
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ラストレター
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どこかで消えた星の行方なんて知らない
暗闇でただ一人誰にも看取られずに
太陽は知っている この世界の終わりを
人は気付かないまま時は過ぎる
ゆっくりと時は過ぎる
流れ星のように気まぐれに顔を出す
儚くて眩しい命
どうして私は終わりが来ることを知りながら
生きているのだろう
永遠なんて無くてすべては幻...星花火
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星花火
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あなたを愛してもいいですか
あなたを愛してもいいですか
24時間見つめ合って
二人の未来を語りましょう
あなたを愛してもいいですか
あなたを愛してもいいですか
朝から晩まで求め合い
快楽の果てへ溺れましょう
あなたを愛してもいいですか
あなたを愛してもいいですか...クロユリ
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クロユリ
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毒をばら撒いて
餌をばら撒いて
泳ぐあなたを掴み取って
手の平の上で
藻掻くあなたの
青ざめる顔に惹かれちゃうわ
とてもいい子ね
お利口さんね
私に抱かれて震えている
あなたがあなたで...ドクガ
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ドクガ
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あなたの気持ちに応えるために
喘いでいた
何一つ疑わずにひたすら
喘いでいた
曇りのない眼差しに私は
憧れて
抗うことを忘れてすべてを
受け入れてきたのに
私を置いてあなたは旅立つ
振りむことさえもしないまま...愛してる
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愛してる
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あぁ
眠れない眠れない
真夜中の午前2時
眠れない眠れない
誰か助けて
現実に藻掻いては
苦しんで泣き出して
逃げ出して疲れ果て
そして眠れない
あぁ...ネムレナイ
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ネムレナイ
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どれだけ殻を脱ぎ捨てても
私は結局私のまま
戯言を着飾って歪む自分がいる
空に浮かべた夢はいつも
近づこうとすれば遠ざかり
残されたものは哀れな私だけ
何かに酔い堕ちてゆけば
自由なままでいられると
信じていた教えられた
今日の私も私のまま...ジーザス
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ジーザス
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花咲く季節を迎えたのに
心に雪が降り積もる
足を止め過去を振り返っても
切なさだけが溢れる
雨上がりに微かに響いた
汽笛の音に導かれて
桜舞う季節の中で
離れ離れになってゆく
たとえ二度と会えなくても
ずっと忘れないで...サクラソウ
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サクラソウ
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時代の波に呑まれた者たちは
選べない舞台の上で笑われ
傘も差せない荒れ狂う雨
容赦なく襲い掛かる
夏の香りも秋の気配も
知らないまま通り過ぎていた
私の声が聞こえますか
時計の針は動かない
雨に濡れて錆び付いたままの
想いが揺れる...カナリア
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カナリア
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あなたが嫌い
あなたが憎い
心の中で誰かが叫ぶ
なぜこんなにも
なぜいつまでも
言葉の棘は
生え変わるのか
息を切らして
声を枯らして
傷を背負って...マヤカシ
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マヤカシ
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ふわりと浮かぶあの雲のように
空から大地を見渡したい
飛ぶ鳥は翼の価値も知らずに
いつだって私を見下していた
巡り巡る時の中で私はまだ
愛するその意味さえ知らない
繋ぎ合わせた手もきっと瞬く間に
ほどけてしまう
灰色に染まった大地を手探りで
何かを探しながら息絶え...フワリ
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フワリ
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雨に流れる思い出を
一つ一つ掬い上げて
置き去りにされた笑顔だけは
弔って
痛いほど幸せすぎた
怖いほど恵まれていた
ただそばにいるだけでよかった
それなのに
奇跡に満ちて不意に私は
その先を求めてしまった...アネモネ
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アネモネ
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