タグ「小説」のついた投稿作品一覧(11)
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これは
(それは)
閉じた物語。
(どこにある?)
腐り落ちた世界で
(死にかけた世界の)
女は鏡の前で呆然とした。
いつかこの日は訪れると知っていたが、まだ若い年齢の女には早過ぎる────腐蝕による死が、近付いてきていた。
昨日の夜、右鎖骨から始まった腐蝕。手持ちの金が無いからと放っておいた...Close tale . (?) -ENDING ME-
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キャラ設定。
ミク・フィーアスト
(初音ミク)
主人公。右腕と右足と左手が機械。見離された地ビトレイアの小さな廃墟街に住む少女。
身体が腐る病カースに蝕まれている。
ファミリーネームは初音→初→ファースト→フィーアスト
シュウ・キリタニ
(???)
ミクに拾われた人間。記憶喪失。自身についても曖昧。...Close tale . Character
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雨の降る廃墟群、ゴミのように倒れる人間がいた。
そんなものは別に珍しい訳では無い。この朽ちた廃墟──これでも一応は街というものだ──には、溢れかえっているのだから。
ただ、私はソレに目を引かれて立ち止まった。何故か?答えは簡単で、その人間は機械的部分が無いから。
私の右腕と右足、左手は機械で出来てい...Close tale 00 . Inferiority race
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光と闇の世界。
その間の世界。
神と天使の住む天界と、邪神と悪魔の住む魔界。
その間に存在する、人間界。
未だ天界と魔界の軍勢が世界を巡り人間界を戦乱の中に落とし入れた時代。
戦乱と恐慌を司る邪神が、闇と夜を司る悪魔との子を成した。
闇紫を宿した美しいその子供は、強大な魔力と邪気を持っていた。
そし...紫の悪魔と桃色の王女の物語
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ざぁ、と色が退く。視界が開いたそこは、青空の下。
芝生の広がる草原だった。
地上に戻ってきた。
じわり、少女の瞳に涙が滲んだ。
「… よかった… 」
天使が、吐息と共に呟きを吐いた。
「…うたいます。約束、を、果たしま…しょう…」
よろよろと天使は少女から離れる。
黒い天使は、それでもその美しさは褪...黒い天使と金色の悪魔の物語Ⅸ
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金色だった少女は、姉の命を救いたいばかりに悪魔と契約をした。
約束を交わした天使を思って涙を流し、それでも唇を強く噛んで堪えようとしながら、自らの右腕を切り付けた傷の血で魔法陣を描いた。
召喚したのは、闇紫を纏う大悪魔。薄く、悲しげに笑った悪魔は、自らの眷属に成ることと引き換えに姉を助けた。
対価。...黒い天使と金色の悪魔の物語Ⅵ
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天使の脳裏に、ふっとあの少女の笑顔が過ぎる。
少女には姉がいた。
まさか、姉のいる少女など地上には多くいる。
杞憂だと天使はその思考を頭の片隅に追いやる。
だが。
「少女の淡い金の髪も青の瞳も、悪魔へと成ったせいで黒へと変わってしまったと聞き及びました。…貴方と同じ色。私は、その少女と貴方を重ねた悪...黒い天使と金色の悪魔の物語Ⅴ
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地上の時間で数日が過ぎた。
地上はくるりと回って半日を天界向きに、もう半日を魔界向きにし、光と闇の均衡を保つ。
金色の天使は未だ地上には下りることが出来ず、赤い女神の神殿にて歌を歌い、女神の弾く弦の音に聴き入っていた。
「……どうしました。浮かない顔ですね。」
女神は天使の歌声に僅かな惑いを感じて顔...黒い天使と金色の悪魔の物語Ⅳ
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緑の髪の少女が出掛け、また金色の天使は何曲かを歌った。
そのうちに雨が上がり、雲の切れ間から天界からの光が差してくるようになると、天使は少女に別れを告げた。
天使はまだ、少女に歌って聞かせていたかったが、これ以上地上にいると少しばかり危険であった。
地上は天界と魔界の間にあり、故にどちらからも影響を...黒い天使と金色の悪魔の物語Ⅲ
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金色の天使がふつと意識を浮上させると、目の前に少女がいた。
金色の髪に青い目の、天使と似た雰囲気の少女だった。
「大丈夫ですか?」
「………………はい。」
天使は寝台の上に寝かされていた。翼と髪は丁寧に水を拭き取られていたが、乾いてはいない為に白いシーツは湿っていた。
窓の外を見ると、まだ雨が上がっ...黒い天使と金色の悪魔の物語Ⅱ
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どうしても、誰かを裏切り、傷付けたとしても。
キミとのささやかな約束を、ボクは守りたかった。
黒い天使と金色の悪魔の物語
~金色の天使~
金色の、美しく心優しい天使がいた。
青を湛えた瞳は、天界の溢れる光にいつの時も輝く宝石のような、綺麗な天使だった。
神々は、得に赤い女神はこの天使を好いていて、よ...黒い天使と金色の悪魔の物語Ⅰ