憂国/初音ミク
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曼殊沙華とは彼岸花の別名であり、サンスクリット語で「天界に咲く花という意味」です。
三島由紀夫『憂国』
歌 ナナシ : https://twitter.com/steal_Xxo_oxX
絵 ただの : https://twitter.com/TDN_AMN_
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憂国
「覚悟はしておりました」
何も後ろめたくなんてない
欺瞞の欠けらすらない
是正の必要性もなくし
花が咲く
明日もない花の名前が貴方と私なら
今日で終わりですから
明日は来ませんから
このまま貴方と共に床に伏して
華燭の典で揺籃を
死は怖くない
別れがただ辛い
刹那の別れの後に私も直ぐ
貴方の跡を辿ります
愛を謳いまた舞い上がる
刹那の幸福の中
初夜のことを思い耽て
悲しみに堪えられない
これからのこと、貴方のこと。
想えないことを悔やみながら
最期の一夜、最期の貴方。
お名残りに肌を感じながら
私の死を信じてくれたこと
貴方が死に選んでくれたこと
その事実にただ嬉しさと
この覚悟を添えて
このまま致せたなら
遠くに逃げれたなら
変わらず貴方共に
息を延ばす何気ない日々の狭間で
死は怖くない
それでも失いたくない
思い出の輪郭も
貴方の熱も今灰になる
今日で終わりですから
明日は来ませんから
あなたの彼岸の海で
紅く染めて
黄泉で待つあなたに「おかえり」を
死は怖くない
別れがただ辛い
今こそ自分も紅の
味をここに刃とともに刻みます
曼珠沙華の咲く道の中
独りで息を出す
どうか進んだ先の憂国で
狭間に寝そべり貴方と、また。
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