亮也

(WIL)
あの日信じていたこと
変わることない幸せ
音を立てて崩れた
今もすがってる思い出
(KYO)
おいで　今宵　夢を　見よう
あの日　のような
(WIL)
失った　あの日のように　さあ...

──侍女長が死んだ──
私は、家に来たアネさんに、そのことを聞いた。革命軍の会議で、マーロン国王カイルから、告げられたらしい。
「じ、侍女長が……」
声が、体が、震える。
心臓の音がうるさい。
「死因は、ナイフの刺し傷だったそうよ」
だから、私のせいではない……とでも言うように、アネさんは私の背中を...

「こんやくしゃー？」
リリアンヌは首を捻った。
「それはなに？　あまくておいしいものではなさそうね」
王家に生を受け、将来一国を背負う立場になるかもしれなくとも、彼女は6歳の──それも、記憶を失った──幼い少女でしかなかった。
「リリアンヌ様が将来、結婚なさる相手のことですよ」
「けっこん！　えほん...

宙のヘリオよ　光り輝き
我らの道を　照らし給え
あの日君と　見ていた星は
僕1人じゃ　分からない
満月に　誘われて
舞い踊れ　扇、手に
捧げよ　君へ
宙のヘリオよ　光り輝き
我らの姿　照らし給え
この手の扇　光集めて...

「エルフェゴートへ？」
「そう、少し用事をね。お願いするわ」
「分かった」
「お土産に、エルフェゴートの名産品トラウベンがあれば嬉しいわね」
「ふあぁぁ」
あくびをするリリアンヌが、視界の端に見えた。
あーあ、退屈な会議ねぇ。形だけで、意味なんてない。リリアンヌじゃなくても、あくびが出るわ。
「ふぁ...

アレン　〜ルシフェニア王宮内「リリアンヌの部屋」にて〜
「いよいよ明日じゃ！準備ができていくのを見ておると、胸が踊るのう‼︎」
満面の笑みのリリアンヌ。いつになく、上機嫌だ。それも当然。明日は、リリアンヌの誕生日。彼女を祝って、盛大な舞踏会が行われるのだから。
つい先程、3時の鐘が鳴り、リリアンヌは...