タグ「tautology」のついた投稿作品一覧(4)
-
♭ ♭ ♭
前期の授業をほとんど落とした。
無理もない、一週間まるまる大学に行かない週も珍しくなくなっていた。
このままでは、進級すら危うい。
彼の数少ない友人は、はじめの方こそメールや電話などで、
「ガッコ来いよー」
なんて言ってくれていたのだったが、彼は無視し続けた。
友人たちに会うのが、嫌だっ...A kind of Short Story from 『tautology』 4/4
-
♯ ♯ ♯
ある日のこと。
彼はパソコンの周辺機器を買い足そうと、郊外の大型PC専門店へ行った。
平日の昼間は、店も空いている。
目当てのコーナーに向かい、ざっと見渡す。
けれど青年は、いつもの通りにスペックの比較や手持ちの機器との相性などが、すんなりと頭に入らない。
どこか上の空で、思考が自分の...A kind of Short Story from 『tautology』 3/4
-
♯ ♯ ♯
「マスター、今日はどんな曲ですか?」
ディスプレイから、コバルトブルーの髪をなびかせた少女が尋ねる。
「今日のはちょっとロックテイストが強いヤツだ。英語もけっこう入ってる、悪いな」
「え゛ー、英語ですかぁ……ひどい、わたしが苦手なこと知ってるクセに!」
少女は、ブラウスの腰に手をあてて...A kind of Short Story from 『tautology』 2/4
-
A kind of Short Story ~ from『tautology』
ディスプレイを睨み、マウスをクリックする。
一拍の長さを示すバーが、半拍のバーと休符に入れ替わる。
画面上のボタンをクリックすると、青年のヘッドホンにメロディが流れる。
――うん、これで少し締まった感じになった。あとは…...A kind of Short Story from 『tautology』 1/4