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5件
救われた者
秋晴れの澄んだ空気を吸い込みながら、一人の女性が郊外にある霊園を歩いていた。今は時期ではないせいか、人通りは少なく閑散としている。
「もう十年か」
世界の医学界屈指の権力者だった男の跡取りである少女が多大な犠牲の上に、大病によって脅かされていた命を長らえてからこれだけの時間が経った...【二次創作】サイノウサンプラー3
星蛇
光が収束すると、ぼやけた視界に手術室が見えた。頭が回らず消えたライトを眺めていたが、やがてそこに一人の人物が映った。
父だった。
従兄妹は助かったのか。そう訊ねたくとも口が思うように動かない。指一本動かず己の胸から物々しい管が生えているところを見ると、機械を繋いで無理やり血液を回しているのだろ...【二次創作】サイノウサンプラー2-2
星蛇
僕は君の
国一番の総合病院、その院長息子が入院患者であった少女を地下の手術室で解剖し、失血死させた。
こんなホラー映画の一部分のような報道は一切されなかった。理由は簡単だ。醜聞と責任追及を恐れた父が、文字通りその権力の全てを駆使してもみ消したのだ。
少年は総合病院の特別待遇という名の隔離病棟...【二次創作】サイノウサンプラー2-1
星蛇
君は僕の
掌からメスが零れ落ちて行った。
目の前に広がる紅い光景。
これは誰がしたんだろう。
どうしてこんなことをしちゃったんだろう。
答えはあまりにも明白だ。
全ては、僕がしたこと。
僕が僕の意思で、僕のために『これ』を切り刻んだ。
錆びた鉄の匂いが消毒薬のそれと混じって充満して...【二次創作】サイノウサンプラー1
星蛇
――君は僕の実験台に横になってしまっているんだ
≒≒≒≒≒≒≒≒≒≒≒≒≒
僕は医師になる為に、医師の世界で有名な高校に入学した。
「おぉ、すごいな。筋がいいぞ。」
教師に褒められた。
僕はもっと褒めてほしくて、たくさん努力した。
だけど…、
「すごいな。お前が一番上手いかもしれないな。」
「そんな...サイノウサンプラー
檸檬飴