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博物館の宝石窃盗未遂事件から一夜明けた。青空が爽やかな昼時の学校の屋上。ゆかりは一人で自前の弁当を食べ終え、心地よいそよ風に身をゆだねるとそのまま目をつむって眠ってしまいそうであった。
「ゆかりさん・・・?」
お昼を食べ終えた心咲とつばさが階段部屋の戸を開けてこちらを除き見た。
「あ、二人とも!こっ...【結月ゆかり】怪盗☆ゆかりん! THE PHANSY #11(終)【二次小説】
たがーる(多賀モトヒロ)
金庫室は三階の一番奥。ゆかりんたちは警官たちの死角を突き、吹き抜けを利用して三階へと急いだ。戻ってきた三階の廊下にはやはり人影が無い。この静けさは既にミラージュによって警官たちが倒された後だった。忍び足で金庫室に近づくと、物陰に倒れている警官がいた。監視室の男たち同様眠らされている。金庫番をしていた...
【結月ゆかり】怪盗☆ゆかりん! THE PHANSY #10【二次小説】
たがーる(多賀モトヒロ)
金庫室は三階の一番奥。ゆかりんたちは警官たちの死角を突き、吹き抜けを利用して三階へと急いだ。戻ってきた三階の廊下にはやはり人影が無い。この静けさは既にミラージュによって警官たちが倒された後だった。忍び足で金庫室に近づくと、物陰に倒れている警官がいた。監視室の男たち同様眠らされている。金庫番をしていた...
【結月ゆかり】怪盗☆ゆかりん! THE PHANSY #9【二次小説】
たがーる(多賀モトヒロ)
「ファンシー・ザ・ゆかりん、メーイクアーップ!」
光の中から飛び出したのは、宵闇に紛れるダークブルーのワンピースに短いフード付きのマントで身を包んだゆかりだった。自宅マンションの誰も上がって来ない屋上で、ゆかりは怪盗ゆかりんへの変身を行っていた。
「怪盗ゆかりんのデビュー戦だね!」
隣でぱたぱたと羽...【結月ゆかり】怪盗☆ゆかりん! THE PHANSY #8【二次小説】
たがーる(多賀モトヒロ)
三人は博物館の一階にあるカフェテラスの席に着いた。
「ゆかりちゃんに呼び出されてたんだけど、早く来すぎちゃったからここで時間を潰してたんだよ。そしたらいい歳して人前で変な事やってるから仕方なく止めに入ったと」
心咲にしてみたら、天敵と等しい立場のつばさを呼びだしたゆかりはもはや裏切り者同然だった。部...【結月ゆかり】怪盗☆ゆかりん! THE PHANSY #7【二次小説】
たがーる(多賀モトヒロ)
葛流市立博物館。地元の人間からは葛流の森と呼ばれており、東京ドーム十一個が収まる程の大きさだけあって森の名も伊達ではない。中には四季の木々花々を見て回れる公園や遊歩道。森の一割に相当する大きな池がある。また文化面での施設も充実しており、博物館、コンサートホール、古代家屋を復元した広場、工芸作製の窯場...
【結月ゆかり】怪盗☆ゆかりん! THE PHANSY #6【二次小説】
たがーる(多賀モトヒロ)
その日の夜。もう寝る時間ではあるが、ゆかりは少し様子が違っていた。薄い紫色のパジャマ姿の彼女はほの暗い自室のベッドに突っ伏して枕に顔を沈めていた。足をじたばたとさせフットサル同好会の副会長島谷から言われた言葉が脳裏に響く。
「事態の収拾に当れ!」
光の反射でレンズの光る眼鏡。つるをくいと上げる。
「...【結月ゆかり】怪盗☆ゆかりん! THE PHANSY #5【二次小説】
たがーる(多賀モトヒロ)
ランニングから戻ってくると、先日監督業が遂行できなかった大智がうっぷんを晴らすかのように今日の紅白戦の重要性を説いていた。だがいつにもまして浮ついている雰囲気に我慢ならん様子ではあったが、この一件に自身も携わっている事を考えると注意の仕方はいつもより大人しかった。チーム分けの後、いつものようにバスケ...
【結月ゆかり】怪盗☆ゆかりん! THE PHANSY #4【二次小説】
たがーる(多賀モトヒロ)
「ゆかりちゃん、いいかな?」
変な雰囲気の女子フットサル同好会。今日は先日の練習試合に出たメンバーとそうでないメンバーに別れ紅白戦を行う為、ウォームアップが今日の活動の大半を占める。まずは各自ストレッチの後、校内のマラソンコースを三十分掛けて十周する。ストレッチはいつもは心咲と一緒なのだが、会長の新...【結月ゆかり】怪盗☆ゆかりん! THE PHANSY #3【二次小説】
たがーる(多賀モトヒロ)
フットのメンバーたちがマネ監主催の反省会をすっ飛ばしてでも早く帰りたかったのにも理由があった。この辺りは七年前に開通した首都圏新都市鉄道の常総新線の白木キャンパスステーション開業に伴い出来た新興の学生街で、その駅ビルにはショッピングセンターラ・ラパークが入っており、若者向けの店が多数出店していること...
【結月ゆかり】怪盗☆ゆかりん! THE PHANSY #2【二次小説】
たがーる(多賀モトヒロ)
一蹴。春風と共にボールがネットを揺らす。右で蹴ると見せかけて、本来の利き足で蹴ったボールは見事にゴールキーパーの不意を突いた。得点したのは結月ゆかり。淡い紫色の綺麗な髪の毛をお下げにした女子高生。だが長く伸びた揉み上げをヘアゴムで結わいており、後頭部はそれこそ男の子のように短く切りそろえていた。ベン...
【結月ゆかり】怪盗☆ゆかりん! THE PHANSY #1【二次小説】
たがーる(多賀モトヒロ)