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成り行きでお見舞いに行く事になった。手ぶらではなんなのでラウンジで食べ易そうな物を、とプリンを持って行く事にした。
「あれ?何で階段?浬音ちゃんの部屋3階じゃ…?」
「部屋には居ないので。」
「え?ああ、医務室とか?」
「帽子屋の部屋に居ます。」
そう言えば前帽子屋さんがそんな事言ってた様な…え?!...DollsGame-49.白粉花-
安酉鵺
翌日、課題の為に準備が要るとかで今日は休みと言う事になった。浬音ちゃんもまだ寝込んでいるみたいだし丁度良いけどいきなり休みと言われても何をしたものやら?
「う~ん、休みって言われると困っちゃうわね…。」
「俺は寝る…此処ん所走り回ったりで疲れたし。」
「ハレルさんはチャペルの掃除手伝ってるみたいだけ...DollsGame-48.イチハツ-
安酉鵺
『…そんな事無い。置いてかないから、ちゃんと聞くから、ちゃんと言おう…?』
ぼんやりした頭の中に言葉が響いてた。重い瞼を開けると高い天井が映った。どの位眠っていたんだろう?辺りはもうすっかり暗くなっていた。
「浬音?」
「密さん…。」
「ん、起きなくて良いよ、そのまま。」
起き上がろうとしたのを手で...DollsGame-47.月見草-
安酉鵺
さっきまでは元気に見えたが熱があると自覚したせいか急に大人しくなった。暴れる事もなく肩に頭をもたれさせている。
「ごめんなさい…。」
「何が?」
「迷惑掛けたのと…近寄ったら感染っちゃうから…。」
「鍛えてるからそう簡単にぶっ倒れないよ…と、密さんの部屋で良いか?近いし。」
「でも…迷惑…。」
「そ...DollsGame-46.リナリア-
安酉鵺
突然現れた三月ウサギは泣いていた浬音をぎゅうっと抱き締めた。
「ふぐ…!ん~~~~っ!!んんんん~~~~っ!…ぷはっ…!」
「お、泣き止んだ。」
「…っの変態!!」
「痛っ…!」
手を解いた三月ウサギの脛にローキック…また地味に痛そうな。
「鳴…『三月ウサギ』さん、何してるんですか?こんな所で…。」...DollsGame-45.竜胆-
安酉鵺
時間が中途半端だった事もあって流石に今直ぐ大量にご飯!って展開にはならなかった。だけど代わりに…。
「ルイ玉葱が私を苛めるんだが…。」
「ヨナちゃん目こすっちゃ駄目!」
「染みるぅうううううう…。」
「早く洗って洗って!」
何故か皆で料理を作ろうって事になっちゃったのよね。
「これってどうするの?」...DollsGame-44.ワレモコウ-
安酉鵺
早々と課題をクリアしてしまったのでチコリと2人でラウンジでお茶をする事にした。自分達がクリアになった後皆が飛び出して行ってしまったので心配していたが、甲高い声が時々他のプレイヤーのクリアを告げて居たので2人でホッとしていた。
「意外と順調みたいね、一時はどうなる事かと思ったけど。」
「まさか女同士で...DollsGame-43.アロエ-
安酉鵺
花壇を無事見付けたのは良いが何故三月ウサギが此処に居るんだろう?と言うか話し掛けてはまずかったのだろうか?まぁ悔やんでも後の祭な訳だが。
「痛たたた…頭ぶつけた…。」
「大丈夫ですか?花壇。女性に乱暴は感心しませんね。」
「してねぇよ…。」
「泣いてるじゃないですか。」
「それは…!その…。」
「あ...DollsGame-42.パフィオペディルム-
安酉鵺
密さんの名前を出されて次の言葉が出なかった。何て言えば良いのかとか、何が言いたいのかとか、頭が真っ白になった。助けてくれて、側に居てくれて、我が侭まで聞いてくれて、凄く迷惑掛けてるのに一緒に居てくれるのが嬉しくて、安心するけどドキドキして…密さんなら私多分何されたって嫌じゃないと思う位…。
「真っ赤...DollsGame-41.八重撫子-
安酉鵺
時々こんな話を聞く。『鍵を置き忘れてオートロックの扉閉めちゃったんだよね』正直言って冗談だと思っていた…が!
「暑い…。」
鍵は持っていたが上着のポケット、ついでに携帯も。暑いからと言って上着を脱いだのが間違いだった。もうサウナ状態の倉庫に閉じ込められてどの位経つだろうか、暑さで眩暈がして喉もカラカ...DollsGame-40.カタクリ-
安酉鵺
全力疾走で疲れた挙句、目の前で課題はクリアされるし、凶暴女には会うし、最悪だ…。
「はぁ…疲れた…。」
「あ、あの…ごめん…えっと、別にクラムの事が死ぬ程嫌だったとかじゃなくて、
ちょっと怖かったと言うか
追い詰められたからびっくりしたって言うか…。」
「良いよ、別に。」
鳳仙花のフォローが逆に...DollsGame-39.サンダーソニア-
安酉鵺
勢いで追い駆けたけど正直捕まえた所でどうしたら良いやら…。
「苦手なんだよなぁ…。」
確かに1億円は欲しいけどこの際参加賞でも良いかな…、そうだ、そうしよう、此処に居る分にはお金掛からないし参加賞で少し食い繋ぎつつアパート探せば…。そんな事を考えて居ると目の前に山吹の髪がふよふよと通り過ぎた。
「あ...DollsGame-38.柘植-
安酉鵺
冗談じゃないわよ!何なのよこの課題!前回のでそっち系に走るつもりって訳?!
「鳳仙花さぁん…。」
「あれ?花壇も逃げて来たの?」
「だってぇ…。」
「判る、うん判るよ!あのまま居たらケダモノの餌食よね!」
「凄い勢いで探してるみたいです…。」
「ああ~んもう!2人はさっさとクリアしちゃうし…!」
建...DollsGame-37.エピデンドルム-
安酉鵺
翌朝、朝食の後に再びロビーに集められた。楽しみな様な、不安な様な…何とも言えない緊張感。
「はぁ~…いっそ誰か撃てとかの方がよっぽど楽。」
「それが楽なのは君だけだと思うよ。スナイパー。」
実際問題昨日みたいな恐い目には遭いたくない、そして出来れば得意分野が良い!そんな祈りを捧げてみた時鐘の音が鳴り...DollsGame-36.猫柳-
安酉鵺
眠りこけた浬音をベッドに寝かせ、ふと時計を見ると夜の12時を過ぎていた。床に散らばった引継ぎ書類を集めながら目を通す。
「ん…?密さん…?」
「あ、ごめん、起こした?」
スタンドの明かりで起きてしまったんだろうか、書類を揃えてスタンドを消すと浬音が目を擦っていた。
「…お仕事…?」
「ん、大丈夫、も...DollsGame-35.東雲菊-
安酉鵺
片付けの終わったラウンジは帳が下りてシンと静まり返っていた。月明かりに照らされてピアノが光って見える。
「啓輔さーん?閉めますよ?」
「ああ、鍵閉めとくから先行ってて。ちょっとピアノ借りる。」
「はーい。じゃあお疲れ様です。」
初日から…と言うか初日だからか、随分と忙しない一日だったな…。雑用や頭下...DollsGame-34.サルビア-
安酉鵺
はぁ…何か肩凝ったなぁ…。走り回るわ『リトルフラワー』は暴れ過ぎるわ、説教する羽目になるわ、挙句に朝吹浬音が体調不良で密さんの仕事の代行…。
「仕事多過ぎだろ…ったく。密さーん?密さん、入りますよー?」
仕事は嫌いじゃないけど他人の仕事をやるのは割に合わないって言うか、気に入らないって言うか…。
「...DollsGame-33.ラナンキュラス-
安酉鵺
中断してしまった夕食は再開した物の、やはり皆食が進まない様だった。会話は無く溜息混じりだ。
「大丈夫かなぁ?浬音ちゃん、凄く辛そうだったけど…。」
「うん…ずっとあんな事言われて来たのかな?」
「何処の世界にもどうしようもない奴は居るもんだよね。見てよ、これ。」
ナチ君はそう言って置きっ放しになって...DollsGame-32.カンガルーポー-
安酉鵺
部屋に戻った私は暫く意識が朦朧としていた。途中で優しい声の人が部屋に入って来た。医者だろうか、密さんを外に出して私を緩めの服に着替えさせると、丁寧に体を診てくれた。
「ゆっくり…そう…吸って、吐いて、吸って、吐いて…。」
「ふぅ…ふぅ…。」
「お水飲める?水分取らないと頭痛いのが治まらないからね…。...DollsGame-31.樒-
安酉鵺
ホテルに戻り暫くすると夕食の時間になった。プレイヤー8人がラウンジに集まり、思い々々に料理を口にする。
「は~…幸せ~…。」
「ゲルニカにもご飯を欲しいのだが。」
「かしこまりました。」
「へ~ぇ、和食もあるんだ…。」
「貝ばっかりじゃなくて野菜を食べなさい!」
「説教すんな!」
私は…と言うと何を...DollsGame-30.彼岸花-
安酉鵺
「何よバカウサギ!邪魔しないでよ!」
頬を打つ乾いた音が響いた。
「それでもお前はプロか!プレイヤーは全てお客様だ。お前のした事はお客様へ危害
を加えたも同然だ!今直ぐ謝罪しろ!」
「…イヤよ!」
三月ウサギは少しの沈黙の後、その場に跪いた。
「申し訳ありませんでした!こちらの教育不足です…お怪我...DollsGame-29.ダリア-
安酉鵺
「おぉっ!なかなかやるぞ!あの黄色!」
「ブチ切れたヲタって恐いのねぇ…。」
「アリエッタの技を完璧にトレースしてる…すごーい。」
「そうじゃなくって!ウサギどうやって捕まえるのよ?!あんなの出て来たら私達も
動けないわよ!」
「女ってこええな…。」
「「「「あんたのせいでしょ!!」」」」
うーん...DollsGame-28.デンファレ-
安酉鵺
――Q.今までに死に掛けた事はありますか?
――A.多分今がそうだと思います。
「見――た――わ――よ――!!」
「な…何かめっちゃ怒ってるっぽいよ?」
「覚悟なさいチャラ男!女の敵には『リトルフラワー』が制裁よ!」
「ちょ…!制裁って…!あっぶねぇ?!」
「うわぁあああああっ?!やったのはクラムだ...DollsGame-27.鳥兜-
安酉鵺
画面と、画面と、画面と画面と画面と画面と画面と画面と…そして目の前にキーボード。少しずつ少しずつ言葉が、視線が、興味が、人が、集まる、呟く、流れる、文字として。
『帽子屋捕まったな』
『オニャノコイジメイクナイ(`Д)ノ』
『つか、ちょっと乳見えた』
『クラムGJ!』
『帽子屋王子じゃね?』
『ラビ...DollsGame-26.ラクスパー-
安酉鵺
DNを決めたあたし達は2人を捕まえる方法を8人で相談してみる事にしたんだけど…。
「取り敢えず追い着けないのが問題だよな…。」
「足撃っちゃうとかは?ほら、モデルガンって結構痛いし。」
「却下に決まってるでしょ!」
全然纏まらない、そもそも知り合って間も無いので誰が何を出来るかも不明、協力するにした...DollsGame-25.フロックス-
安酉鵺
普段あまり体を動かさないせいか、それとも向こうの体力が桁違いなのかは判らないが…。
「つ…疲れた…。」
「何だよあの2人…特にウサギ野郎!IH級なんじゃね?」
「ちょぉーっと休憩!」
闇雲に追い駆けても得策では無さそうだ、こちらがイタズラに体力を削るだけ。
「少し策を立てる事を提案します。」
「…喋...DollsGame-24.フリージア-
安酉鵺
ルール説明から30分位過ぎた。何はともあれHN…ここでは『DollsName』と言われる名前をそれぞれ登録する事になったんだけど…。皆複雑な表情を浮かべて空気は凄く重い。誰もが誰かが口を開くのを伺っていた。
「ちょっとちょっと、空気が重いわよ?まるでお通夜じゃない!」
「暗いです…。」
「あ…門番B...DollsGame-23.紫蘭-
安酉鵺
集合時間になり、ロビーにぽつぽつと人が顔を見せる。何だか皆お互いの様子を伺う様に距離を置いて気まずい空気だった。沈黙に耐えられず辺りを見回すと、カチッと目が合った。真っ赤な長い髪が凄く目立つ。
「あ、昨日のうるさい人。」
「メオです、失礼ね…何か用?拳銃君。」
「別に?なーんか空気重かったからさ。」...DollsGame-22.菜の花-
安酉鵺
船が何処かの港に着いた時にはすっかり夜が明けていた。目の前には真新しい建物やアトラクション、乗り物なんかがあった。ずっと揺られていたせいか地面に足が着いていて安心する。
「…って、これ遊園地?」
「今期新しくオープンするレジャー施設【Tineke】です。アトラクション、
ショッピングモール、宿泊施...DollsGame-21.ノコギリソウ-
安酉鵺
眠れなくて散歩中、お仲間発見かと思いきや何だか妙な会話を聞いてしまった気がする。そして、又一人。
「立ち聞き?それとも覗き?」
「…随分狡い人みたいね、貴方。もう少しフェアに勝負しようって気は無い訳?
さっきの、まるで脅迫じゃない。あたしはああ言うの嫌い。」
「嫌いで結構。1億円はそんだけ魅力って...DollsGame-20.苧環-
安酉鵺