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『親指姫は地下深く、もぐらの旦那待たされて
助けに来るのは渡り鳥、お花畑に連れ出そう』
取り敢えずあらすじを覚えていた親指姫を選んだんだけど…モグラなんて出て来たっけなぁ?でも『地下深く』って書いてあるから絞り込むのは簡単だった。この施設の中で一般人が入れる地下はホテルの地下にあるテナントと…。
...DollsGame-79.風露草-
安酉鵺
毎度毎度課題を考えてる人の顔が見てみたいったら無いわ…。しかもあんな説明だけなんて!!
『人魚姫?それとこの足枷と何の関係があるのよ?』
『私も詳しくは…あ、最後にこのマスクはめて下さい。』
『こう?…ん?むぐぐぐぐ~~~???』
どう言う構造なのかマスクが取れなくなった。息苦しくは無いけど話せない...DollsGame-78.カポック-
安酉鵺
渡された封筒の中には一枚の紙があり、こう書かれていた。
『鉢かづき姫は鉢かぶる、仕事はみんなの飯作り
姫を哀れと思うなら、鉢ごと担いで花畑』
『鉢かづき姫』を検索して大体のストーリーを見ると、鉢が顔から取れなくなった美しいお姫様の話、との事だった。つまり『姫』役の誰かは鉢を被せられて、えーと『みん...DollsGame-77.夕霧草-
安酉鵺
病院の廊下を早足で歩く、本当は走りたい思いだけどそこは流石に我慢して。
「あれ?啓輔、もう着いたのか?昼過ぎになると思ってたんだけど。」
「朝一で飛ばして貰った…憐梨は?倒れたって大丈夫なのか?ほら、あいつ体力
そんな無いからさ…。」
「大丈夫だって。まぁ、入って入って、話は中でするからさ。」
含...DollsGame-76.花菖蒲-
安酉鵺
停電から一夜明けて、いつもの様にロビーに人が集まって来ていた。だけど居るのは男だけで女性陣の姿は無い。人もいつもより少ない、ハレルが少し遅れて降りて4人が揃った時、近くに居たチェシャ猫にそれと無しに聞いてみる。
「何で女達居ないの?」
「あ、課題で移動して貰ってます。」
「課題?今居ない奴もそっちな...DollsGame-75.ランタナ-
安酉鵺
目の前の書類の束を見ながら思わず溜息が漏れた。ゲーム進行状況の報告書、及び停電と対応策の検討案等々…仕事が山積みな上にどうにも苛立ちが収まらなかった。
『鳴兎が…!鳴兎があの時泣きそうな顔なんかするから…っ!』
あの時って何だよ…泣きそうな顔とか…浬音のあんな顔俺だって見た事無い。
―――トントント...DollsGame-74.白薊-
安酉鵺
目の前で何だかすっごい物を見てしまった…。情け無い話だけど、俺はそう言う方面に関しては殆ど免疫が無い。と言うか、花壇は帽子屋じゃなかったのかな?え?二股?うわぁ…!!…そんな事を考えていたら目が冴えてしまっていた。
「…ああ!もう!中学生かよ俺は!!」
他の皆は慣れてるんだろうか?兎に角このままじゃ...DollsGame-73.クリスマスローズ-
安酉鵺
訳が判らなくて頭が破裂しそうだった。どうやって部屋に戻ったのかも覚えてない、気が付いたら自分の部屋に居た。唇をゴシゴシ擦ったけど余計熱くなるだけだった。
――Pririri…Pririri…Pririri…
メール?誰よもう…!こんな時に!!
『少し話したい、展望台来て 鳴兎』
…来てって…行く訳無...DollsGame-72.唐糸草-
安酉鵺
雨の中走った次は廊下走って、弾丸かよ?全く…。
「浬音!」
「…っ!放して!」
「走るな!落ち着けって!」
「鳴兎のせいだ!全部鳴兎のせいなんだから!変な事言うし、変な話するし、
よく解んない事いっぱいするから!熱でも出たらどうしてくれんの?!」
真っ赤になって涙目で文句を言い連ねて居たが、ヤバイ...DollsGame-71.クフェア-
安酉鵺
気が付けば呼び出した鳴兎を皆が囲んでいた。
「ちょーっとお話良いかしら?ウサギさん。」
「ご愁傷様。」
「よく判んないけど面白い事になってるみたいだね。」
「女性に傷を付けるのは感心しませんね。」
「紳士だと思ってたけど変態だったのね!」
「お前が浬音に噛み付いたのか?」
皆に迫られて流石にうろたえ...DollsGame-70.ピンクカーネーション-
安酉鵺
照明や空調が復帰した。そう長い時間では無かったがやはりホッとする。
「あ、良かった~戻ったみたい。」
「この雷のせいかな?」
「台風来てるのか?」
「他の皆大丈夫だったのかな?ドア閉まっちゃったみたいだし。」
――ピンポーン…ピンポン!ピンポン!ピンポン!ピンポン!
「わわわ?!誰?!誰?!はいはー...DollsGame-69.金魚草-
安酉鵺
鏡を見てギョッとする事がある。凄い寝癖が付いてたり、顔に畳の痕が付いてたり、だけど、だけど…これは無い!鳴兎に噛み付かれた首筋に思いっ切り痕が残ってる。『蚊に刺された』とか誤魔化すには無理があるかも…って位。これって、キスマークと言うかもう歯形の域だよね…一体どう言うつもりで…。
――コンコンコン。...DollsGame-68.マンサク-
安酉鵺
風雨の音だけが暫く部屋に響いた。と、急に手を掴まれ引き寄せられた。
「えっ?!」
「…もう思い出すな…浬音。」
耳元で囁かれた名前に心臓が跳ねて、思わず鳴兎を突き飛ばした。こんな状況で、しかもベッドの上で抱き締められたら意識せざるを得ない。今更ながらドアが開かない事が恨めしい。
「はい、あーん。」
...DollsGame-67.タチアオイ-
安酉鵺
電気が消えてから数分、まだ復旧してなかった。窓の外に目をやると台風に近い暴風雨が窓を叩いていた。オートロックが壊れるんだ…便利さもこう言う時は仇になるんだなぁ。溜息を吐いた瞬間、光と共にまた轟音が響いた。うううぅ…雷が特別恐い訳じゃないけどこれだけ近いと流石に恐い!光ってから間が無いのは確か雲が近い...
DollsGame-66.石蕗-
安酉鵺
鏡越しに合った目を見れなくて思わず逸らした。よく考えたらこの人部屋に入れたりしたらマズイんじゃないの?現にこの前だって…!
「あの…大丈夫ですから!泣いたりとか誤解ですから!もう平気ですから!」
「ですから、何?もう帰れ?」
「まぁ…そう言う事です。」
「『一人にしないで。』って言ってたねぇ?雨の中...DollsGame-65.レモン-
安酉鵺
小さな時から他人を羨むなと教えられて来た。誰かの物を欲しがったり、羨んだりしてはいつか必ず誰かが、自分が傷付くから。誰かの物だと判ればどんなに欲しいと思った物でもちゃんとブレーキを掛けた。誰かの物は所詮持ち主の側に居る時が一番幸せなんだ、持ち主も、その物も、だから欲しがっちゃいけない。ただその笑顔を...
DollsGame-64.ヒゲナデシコ-
安酉鵺
密さんは押し黙ったまま何も言わなかった。どうして黙ってるの?嘘だって…冗談だって言って…今直ぐ言って!お願い…お願いだから…!
「密さ…!」
「すまない…。」
搾り出す様な声だった。
「嘘…嘘…ですよね?…何かの冗談…ですよね?」
「浬音…話を…!」
「私の…私の家族…なんですよ?酷い事したかも知れ...DollsGame-63.ミルトニア-
安酉鵺
その日の夕食は何だか凄く楽しかった。歩き回って疲れた話、トランプでボロ負けして悔しかったって話、箱が開かなくって爪が欠けた話もちゃんとした。疲れたけど楽しかった、皆の顔がそう言ってるみたいだった。
「浬音ちゃん、たまには一緒に大浴場行かない?ここのお風呂広くて綺麗だし
オススメだよ。」
「あ…私す...DollsGame-62.花蘇芳-
安酉鵺
ラビットの言葉を信じて教会へ急いだ。途中無線で連絡をしたらしく、他の皆や数名のNPCも集まっていた。教会の入り口にはしっかりと鍵が掛かっていた。
「ここの施錠は何時しました?」
「えっと、掃除が終わってからなので昼前です。」
「昼前…掃除中に入り込んだとしたら。」
「ええ、開けてみましょう。」
鍵を...DollsGame-61.デージー-
安酉鵺
当ても無くシャルロットと子供を捜していたが、影すら見当たらなかった。
「そろそろ暗くなるんじゃないのか?」
「う~ん…もしかすると迷子になってるんじゃないかな?他のスタッフも捜してる
みたいだし。」
確かロビーで見た子供は小さかった。大体2~3歳だろうか、そんな子供が迷子になったら相当心細いんじゃ...DollsGame-60.スターチス-
安酉鵺
「カーカカカカ!!鳳仙花様――!!宝発見で花をゲット!!ク――リア―――!!」
甲高いアナウンスが響いたが、私達は二人してげんなりしていた。箱が一向に開かずお手上げ状態だ。
「いっそ火点ければ開くかなぁ…。」
「踏み潰しても良いですね…。」
「う~~ん…私のとハレルヤさんの箱って同じですよね?」
「...DollsGame-59.ブルーレースフラワー-
安酉鵺
俺達は暗号が解けないまま歩いていた。『もしかしたら偶然宝物を見つけられるかも知れない』と言う鳳仙花の言葉に同意した結果なんだけど…。
「う~~ん…やっぱり無いね。」
「闇雲に探しても疲れるだけっぽいね。暗号解くしか無いよ。」
植え込みにへたる様に座り込んだ。
「何か飲み物買って来るわね。」
「あ、良...DollsGame-58.花魁草-
安酉鵺
目の前のカードに段々とイライラして来た。飄々と笑ってるトカゲにはうっすらと殺意すら浮かんでいた。
「あんた…絶対何かしてるだろ?」
「とんでもない。」
「ババヌキでもボロ勝ちって有り得ないだろ!」
「それは君の頭が悪いからだよ。」
「あぁ?!ガキは黙ってろ!」
「ちょっと黙ってて!」
「お?やっと火...DollsGame-57.ルドベキア-
安酉鵺
箱と格闘してどの位時間が経っただろうか、一向に事態は動かなかった。
「少し休憩しては?」
「う~~…もうちょっとな気が…あいたっ!痛~…爪欠けたぁ…。」
「…っ大丈夫ですか?!」
嫌な予感はしていたが案の定だ。
「見せて下さい。」
「えっ?あの…そんな大した事じゃ…。」
「良いから手を出しなさい。」...DollsGame-56.銭葵-
安酉鵺
画面と、映像と、時折入る音声、キーを叩く音が静かに響く。言葉が、視線が、興味が、人が、集まる、呟く、流れる、文字として。
『暗号判った!てか簡単じゃね?』
『トカゲTUEEEE』
『イカサマ・イカサマ』
『チビ1人居ないな。』
『リアルアリエッタたん萌え~~~(*´Д`*)ハァハァ』
『ヲタはカエレ...DollsGame-55.パピルス-
安酉鵺
ここでこうしていても始まらない、と言う事であたし達は近くのベンチに座り帽子屋さんに渡された封筒を開けてみた。
『白い小石で救われた 二度目は小鳥に迷わされ 甘い香りに一時眠れ 最後は焼いて宝物』
「何これ?暗号文?」
「さっぱり判んない…こう言うの苦手だなぁ。」
「うーん…『最後は焼いて宝物』って書...DollsGame-54.カモミール-
安酉鵺
子供を捜せと言われても…ちっちゃい子って結構大変だよね…うろちょろしちゃうし体力あるし…。何処捜せば良いんだろう?アトラクションは動いて無いからぬいぐるみとかモニュメントとか目立つ所かなぁ?
「花壇さん。」
「ひゃっ?!…は…ハレルヤさん…。ど、どうも…。」
うぅ、この人何か掴み所無くて苦手…。悪い...DollsGame-53.姫百合-
安酉鵺
弾丸の様に逃げて出した子供達はあっという間にどこかに行ってしまった。何か家に居る時思い出すなぁ。
「あ、拳銃君、ねぇねぇ子供達居た?」
「見て無い…子供って変な所に居たりするしね。」
「お菓子に釣られて出て来ないかな?」
「持って無いよ。」
「じゃーんキャラメルクッキー!美味しいから猫君に作って貰っ...DollsGame-52.パセリ-
安酉鵺
う~ん、まさか子供が出て来るとは思わなかったわ…ゲームの企画者どんな奴なのかしら?
「チコリ、おい、チコリ。」
「何よ?」
「お前ガキの扱いとか得意か?」
「うーん?子供は嫌いじゃないけど…。」
「ガキ苦手なんだよ…どうしたら良いのかよく判んねぇし、ピーピーやかましいし…。」
「見るからに頭悪そうだ...DollsGame-51.蓮-
安酉鵺
浬音の体調が戻り、ゲームに復帰したのは倒れてから三日後の事だった。ロビーに降りて来た彼女はペコリと頭を下げて言った。
「皆さん御心配掛けました。」
「おかえりなさい。」
「お帰りー。」
しかし、顔色が少し白いと言うか、血色が悪いと言うか、いや、気のせいだろうか?考えるより計った方が確実だろうか?
「...DollsGame-50.ジャスミン-
安酉鵺