タグ「和風」のついた投稿作品一覧(9)
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何処まで続くのだろう
この疵だらけの道は
静かにすれ違っていく
盲目だらけの群れを 眺めて
例えば此の足が 誰より速く駆けることができたなら
私の隣に 今も誰かが居たんだろうか
飾らない言葉を並べ立てて
誤魔化すように 今日を迎える
止まらない時間に 惨めな形(なり)
零す泪に 自身を濡らして...蝶
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薫る春を告げる 暖かな陽だまり
芽吹く花 色鮮やかに 景色を染めて
滾る夏に照られ 咲き誇る向日葵
ひと時の 声と光が 景色を奏で
過ぎゆく季節 想いは焦がれ
眩い夕陽に伸びた 二人の影は 未だ 離れたまま
あなたを想う度 迸る
この邪な心を どうか見ないで
燻る秋に凪いだ 切なさは泡沫
舞い散る葉...恋(music by 汐見シオ)
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幾年の時を重ねて 土を踏み締める
背伸びをしていた あの頃の姿は 朧
綻びた過去が遺した 現在(いま)を噛み締める
待ち焦がれていた 春は未だ 虚ろの向こう
夜の帳で 捜したのは 誰か
忘却に溶け込んだ 孤独な闇の中
此処に 呼べる名前はなくとも
舞い上がる 唯 この身を燃やして
例え 無惨な生き様...華(music by えんきゅー/eNQueue)
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あの神は 誰も救えやしない
佇むだけの時間は 何も変えてはくれない
あの髪が 靡く先の夕焼け
悴むだけの時代を 焼き尽くすような 紅
「いつか」と願った〝その時〟は とうに過ぎ去った
今は この眼が映す 残酷に脅えて
唯 一瞬の灯を 眩いくらいに 突き刺した 閃き
あの夢は 何も叶えやしない
愛しい...閃—ヒラメキ—(music by eNQ)
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四月の香に 躰を包まれて
想い帰す 遠い日の淡い約束
騒ぎ出した 大地の奏でる 狂想曲
出逢いと別れ 始まりと終わり
輪廻を謳う 春に産まれ 春に散る華
見上げた青空を 臼紅に染め上げて
儚さを 漂わせ 逞しく 舞い踊る
流れる時間(とき)の中 思い出に身を就けて
在りし日の 悼みだけ 此の胸に 蘇...葬春華
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嗚呼……面隠し 群がる雲に怯える 哀しき月よ
嗚呼……綻びた 其の想いは何処へと 消ゆる
水面が捕らえし 仄かな景色
静けさに満ちた闇は 深く
煌びやかな光も 遮られる
届かぬ聲を叫ぶ 憐れな様を
揺蕩う想い抱く 憐れな様を
広がる波紋(なみ)が描く 未知なるように
朧ぐ輝きを纏いし 哀しき月よ 翳...月に叢雲、花に風
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季節(とき)は巡り 始まりを告げる
谺する吐息が 鮮やかに 大地を駆けていく
臼紅の花弁は舞う 降り頻る雨に撃たれ 尚
咲き乱れ 輝かしく 視るもの全てを 彩るように
儚さは 時として 何よりも――
想い廻る 暁の中で
艶やかな息吹が 暖かく 大地に解けていく
臼紅の花弁は舞う 吹き荒ぶ風に揺られ ...櫻(music by MEGKEN)
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季節過ぎし暁の 温もり運ぶ 春の唄
眼(まなこ)擦る草花も 微笑み浮かべ 咲き誇る
白き花束 水に還り 土に流れ 今際(いまわ)に眠る
されど想いは 受け継がれて ぽつり浮かぶ 寂しがり屋へ
ひらりひらり 舞い踊るは 風の中
ゆらりゆられ 儚きかな 桜花
きらりきらり 響き合うは 流れ星
ゆらりゆ...朧月
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数多の星煌く 藍色の月夜の下
隙間風に誘われ 仄かな灯へと
空ろな闇は 白衣(しらきぬ)を穢し
私を果てなく導く
散り逝く思い出(ひび)の欠片
紡ぐ事は叶わず 雫と姿を豹え 頬を伝う
粉雪が讃える此の冷たさから
唯 貴方を救いたくて――
嗚呼…微笑み交し合った あの頃
嗚呼…還らない 戻らない...夢遊病