投稿作品16作品
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さようならという言葉を常日頃
お互いに胸に隠し持っている
その言葉を使うまでのひと時を
飽きるまで弄ぶと決めている
さようならという言葉を使うのも
使わせてみるのも悪くはない
だけどあなたの方が使ったり
私が使わせられたりしたくない
さよならという言葉の引き金を
引くという権利だけは譲れない...さようならの拳銃
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A1
こんな日が来ると
お互いに知っていた
君が先に
枯れていくのは
運命、摂理だろう
人の命とは
短く儚いもの
人でなしの
僕の命は...定め事・楼閣の跡
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S
地の底で
大きな鯰が暴れると
地震が起きると昔から言うけど
胸の奥
そこにも鯰は住んでいて
君に会うたび手がつけられない
質が悪いわ
A1...瓢箪で鯰を押さえる乙女
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A1
満天に流れる
星芒の川 仰ぎ見て
苗色の 蛙が
雨を乞い鳴く いさら川
B1
想いに 焼かれ 焦がれる
人のように
鳴き叫び願っていた
S1...短冊に乗せて
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1
A
少し嘘つきな人だった
だけど優しい嘘ばかりで困った
あなたに包まれている事で
不安など微塵も感じなかった
B
あなたにそっと抱かれることで
あなたの帰る場所になりたい
それしか出来ないと信じてた...私の罪
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1
A
君と初めて出会った時
儚げで美しい人だと思った
触れれば崩れてしまいそうな
微笑みに愛しさを感じていた
B
君の寂しさを癒すように
君の苦しみを消すために
傍にいたいと願っていた...僕の罪
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1
A
人波の中で溺れてたい
群集の中の一人でいい
横の誰かに似ていて
自分なんて無くていい
A
一人で孤独に生きるより
ただ普通の幸いが欲しい
そこに自由が無くても...迷子
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1
A
でもね それでは足りないわ
綺麗な顔で笑って
少し不器用に話して
たまに優しく見つめるだけ
B
そんな私の魅力なら
あたしだって解ってる
S...BUT
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1
A
喩尽くせぬこの世の闇が
君の足音にかわる夜
夢物語は夢から醒めて
君の鼻歌となり消える
B
君の足音を聞いて歩く
その鼻歌に調子を合わせて
C...やみつき
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1
あなたはその大きな手で
私の髪を撫でて
「女の子」を教えてくれた
優しさと、可愛さを身につければ
強くなれると教えてくれた
強くなる為にあなたがくれた赤い髪飾りは
赤なんて似合わないと引き出しに仕舞ったまま
「男の子」に負けない強さが欲しかった
「女の子」のままでは弱いままの気がしてた...あなたが教えてくれたこと
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垂直に切り立ったその頂
白い北壁には魔が潜む
己の欲の為だけに
そこを目指した愚者たちは
足を滑らせ命を落とす
乙女と修道士と共にあり
美しい静寂と共にある
青く広いアルプに響く
涼風とカウベルの歌
その頂には響かない...鋭利な頂
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1
ここは大きな湖
深く透明な湖
底は深く果てしなく
潜っていくのは難しい
ここは冷たい湖
三日目の月に似た形
いろんな形のヨコエビと
カジカと僕らの楽園
冬になると陸になり...氷の陸と二本脚の行進
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流れ落ちる赤い水が
白い飛沫と水煙に変わる
蒼天に煙る水煙は
消えることのない虹を掛ける
しんしんと飛び惑う蝶のように
極彩色の翅を持つ者だけが
あの虹の下を潜って行ける
大いなる水よ
ただ廻り巡る環の中で
何度この滝の雫となり...イグアス
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曖昧に笑うことしか私はできない
いつでも泣くことが一番難しいことで
私はいつも強い言葉
可愛い仕草ばかりを使って
本当は弱い自分自身を誤魔化すことに必死で
曖昧で可愛い笑顔 私を守る最高の盾
強い言葉 明るい言葉は最強の鎧 わかってる
ホントは弱い私 弱くて、弱くてどうしょうもな...self defense
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あなたは言う
物憂げな瞳 乾いた唇
「そろそろいいよ」
僕はその唇を舐めて
その瞳の奥 探る
その奥に隠れてる
その正体を早く知りたいよ
手に入るかな?
それを孤独の闇が隠すなら
僕が傍で照らしてあげるよ...Obtain
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くだらない運命の中で
つまらない人生の中で
私が唯一楽しめること
一歩ずつ壊れ逝くこと
少しずつ狂い逝くこと
私が唯一感じられること
こんな何も無い真夜中に
夢中で聞いてたラブソング
どこかにいる誰かの声が耳元でやけに煩く
ただ「大好き」だとか...sensory