巡り

硬くつないだ手を離しはしないよと
笑いあった幼いころの夢
永遠は確かにここに在るのだと信じてた
揺らぐ緑川のせせらぎの揺り籠
君が好きだといった赤い花
こんなに綺麗に咲いてるのにどうして悲しい
嫌でも時は僕らを連れて進み続ける
見たくもない知りたくもない現の中を
空を裂く高い塔のその遥か終わりの場所...

いつだって求めていてそれでいて要らなくて
矛盾してるって笑うかい別にいいよ
無駄に饒舌なこの口は他人事のよに
無責任な言葉を今日も紡ぐんだろう
幸せだと笑った君のその顔が
虫唾が走るほど嫌いねえやめてよ
置いて行かないで泣いている誰も僕に気づかない
ココに居てココに居て一人にしないで
僕が飽きるまで...

いにしえの魔法あなたにかけてあげましょう
月明かり荊の海で痛まぬよう
いにしえの謳あなたに教えてあげましょう
光満ちた箱庭でまどろみながら
夜明けがくるまで泣いてしまう寂しいあなたが
どうか優しい眠りにつけるように...

切裂いた水面に映る影
幻影を現に求めた
捧げた祈りが狂い咲き
後にも先にも生けず
絡みつく鎖は私の心臓を捕らえ
手向かえど私を放しはしなくて
グロリア　讃え　謳う
咽が枯れ果てても
グロリア　笑う　神は
誰も救いはせず...

鮮やかな海に溺れて
探しあててみせようか
幾重にも
語り継ぐ
古の
君の名前
鮮やかに壊死する夜の
妄執に囚われて
救い出す
空の果て...

いつかは会えると信じてた　
虚構は暴かれ晒された命
目に焼き付いた空の色
悠遠の記憶の其処に沈んで
目を綴じた
光は届かず
音を断つ
暗闇に一人
今貫く聲が終局を飾って
微笑を湛えて砕ける...

遺した影が
手招く方へ
紅い靴鳴らして
誘われてゆく
きみは何処なの？
影に尋ねて
答えなんて
ないと知ってるのに
「もう一度逢いたい」
影は手招く...

小さな窓の向こう
流れる景色にまどろんだりして
頬杖ついて考えてる
今日明日のこと
しらない街角
しらない人たち
踏み鳴らす新しい靴
どこまで行けるかしら
路地裏隠れる
小さな黒猫...