タグ「詩」のついた投稿作品一覧(17)
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生きるのが容易かった頃
私は簡単に人を傷つけた
生きるのが容易かった頃
私は単純に友が好きだった
生きるのが容易かった頃
私は純粋に恋をしていた
生きるのが容易かった頃
私は私という生き物でしかなかった
恥を知って 嘘を覚えて
愛の深さと怖さに触れて...大人の生まれ方
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歌うこと 覚えたてでさ
君の鼓動に合わせながら
降るような 星を見上げて 笑う
願いごと 覚えてるかな
僕の嘘に気づきながら
泣くように 星が零れて ただ痛くて
あんなにも君を
愛してたはずの
僕の歌声すら 届かない
きらきら...きらきら涙
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あなたのことを想うと
いつも心が柔くなる
嘘のつけない優しい人
笑顔の綺麗な人
穏やかな人
可愛いねと花を撫でて
今日も変わらず微笑んでいる
苦しい時も悲しい時も
決して涙は見せず
言葉すら知らない子どものように...僕らは初めに愛を知る
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手を振って君はいなくなった
振り向いても 振り向いても
君を見ることはない
夢に見る度 曖昧になっていく
君の瞳は どんな色をしていたっけ
そばにいられた時の尊さを
今さらながら噛みしめるばかりだ
君のてのひらの温度 肌の柔さ
さらさらとした髪を梳いて
飽くまで寝顔を見つめていた夜...空っぽ
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劣等感に苛まれては
見下せる何かを探して
優越感に溺れかけても
苦しいことさえ知らなくて
足りないものや いらないものばかりを
数える日々は あとどれだけ続くの
少しずつ進んでいたはずの道は
まるでごみくずみたいに どこかで
惨めに絡まり落ちている
恋が夢なら 恋が夢なら...恋のあと、
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自分も愛せない人間が
他人を愛せるわけがないって
バカみたいに残酷な台詞ね
自分を愛せることの幸せを
幸せとも気づいてないの
疲れたら眠りたいでしょう
喉が渇いたら水を飲むし
寒くなれば明かりを探す
そういうものよ、愛は
孤独を知らないまま 愛に触れたら...優しい絆創膏
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振り向いてくれないなら
こんな 愛さえいらないのに
美しく咲き誇れる
その種を 握りしめ 小さく震えてた
君の背に どうしても触れられないまま
そっと そっと遠ざかる
季節を見つめていた
春の向こう側
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手を繋ぐ 名前を呼ぶ
小さなケンカに涙して
隅っこで 体育座り
可愛くないよと君が笑う
ずっとさ 続くって
疑いもせずに
バカだね 全部が今さらだけど
君との日々が色褪せても
変わらないものがあること
僕はそれだけを信じて...Daily Life
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君が君の全てを曝け出してくれるなら
僕だって君に全てを預けるよ
君が僕の全てを愛そうとしてくれるなら
僕だって君の全てを愛するよ
誓ってもいい
誓ってもいいのに
無理なんでしょ? そうなんでしょ?
探り愛みたいなこのお時間も
騙し愛みたいなこの感情も
無駄なんでしょ? そうなんでしょ?...祈り
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蝉時雨に耳を澄ませば
不思議と静寂の声がする
痛いほど眩しい太陽も
木漏れ日なら優しく触れる
生温い風 全身で受け止めて
汗をかいたラムネを飲み干した
カランコロンと鳴るガラス玉
綺麗で綺麗で 割りたくなった
空が青すぎて笑えた
蝉がうるさくて笑えた...僕は夏が好きだった
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本当に死にたいやつなんているか
本当に消えたいやつなんているか
ひとりが好きなんて大抵嘘だし
自分を嫌う自分のことが大嫌いだ
叶うなら誰かを幸せにしてみたい
無理なら誰かとただ笑い合いたい
傷つくのも傷つけるのも怖くて、でも
誰も傷つかない世界がないことを知ってる
それでも生きねばならない理由は
一...学校の屋上から、聞こえていますか
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僕が可哀想なのは僕のせいなので
君が気に病むことはないのです
痛くてたまらないのは僕の方なので
君が痛がることはないのです
何がおかしいのですか?
僕の頭を心配してる? そんなアホな
それはとても大きなお世話なので
おとといきやがれとでも言っておこう
君は今 君以外の誰かに寄り添って
いや寄りかかっ...幸せになれるから
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真っ白な世界だった
触れたものは灰になり
花は咲く前に綻んでいく
真っ新な世界だった
記憶の果てには眠る君の顔
温もりはもう思い出せない
体の痛みだけが真実のようで
どうしてかな どうしてかな
気づけばいつも 手を伸ばしている
温かいのかな それとも冷たい?...君が見えるよ
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あなたのためではないのです
あなたのためではないのです
最初から何ひとつ
私はあなたを愛してなどいなかった
私をひどいやつだとお思いですか
それでもそばにいたいと言うのですか
あなたはバカだ 本当にバカだ
最初からわかっていました、なんて
そんな優しい顔で言わないでほしかった
あなたのためではないの...たったひとつの幸せでした
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君の隣で見る月は
なぜだか少し滲んで見える
口惜しく思うのだ
その欠けた形も 埋められない距離も
水辺に咲いた花の色に似た
君の瞳の奥に潜む影
撫でるような風を感じて目を閉じた
頬を濡らす温もりが悲しくて
ただ、悲しくて
まだ見えない 見えないままでいい...君の隣で見る月は
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明日なんていっそ来なければいいと
何度願ったかわからないけれど
明けない夜の悲しげな叫びに
耳を塞いでは眠れないのです
記憶の底には痛みさえなくて
どこまでもただ、空っぽのまま
行方知れずの彼が恋しい?
もう名前も思い出せないくせにね
透かされた心が誰かを想うのを
まるで他人事のように見ていました...息を、
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あなたが虚しく過ごした今日は
あの子がどれほど生きたかった明日だろう
生きていることは当たり前ですか?
明日が来ることは当たり前ですか?
生きていることは偶然で
死んでいくことは必然なのに
あなたが無意味に過ごした今日は
あの子が死ぬほど生きたかった明日でした
母がいることは当たり前ですか?
愛され...今日が昨日になる前に