ブリキのロボ

木々の間に間に　聞こゆるは
けものの声に　木霊の響き
夢の間に間に　見ゆるれど
さやけく姿　終にぞ見えじ
里の稲穂の　実る頃
狐の尾こそ　黄金の穂なれ
童や謡ふ　刀自詠ふ
昔語りに　幽けきものを
花の色　散りぬれど
残るべし　仄かなれども...

目が覚めてあくびをして
(起きるのは午後だけど)
いい天気だなーと言ってみる
(外には出ないけれど)
とりあえずテレビをつけ
(ニュースは見ないけど)
ニコニコのランキングを見る
(ゲームタグしか興味はないけど)
もっと早起きしようかな
(それができたら苦労しない)...

僕はうさぎのらいおんちゃん
らいおんラビットのうさぎだよ
毛並みはふわふわしていて
灰色ブチ模様のホワイト
趣味は寝そべりくつろぐことで
いつもどこかで寝ているかな
誰か遊ぼうよー
遊んでよ
いつもなでなでしてくれる
そんな人が大好きで...

閉め忘れた障子の隙間から射しこむ
光が身体を揺さぶり続ける
目にかぶせた手と手の隙間からこぼれる
光が頭の硬化を抑える
動き出した時計の針 世界は回る
あてもなく彷徨う理由を求め続け
空からふってくる痛みはゆらゆら
目の奥に突き刺さる 神の声 神の声
風が運んでくる虚しさはゆらゆら
耳の奥に入ってく...

錆びついてる体に　油を射す暇なく
硬化してく手足で　なんとか歩き続ける
風が吹いて砂が舞い　体にまとわりついてきて
鉄と鉄の隙間から入り 中は砂だらけ
喜びや怒りや哀れみや楽しさを
うまく作り出してみれば砂も落ちるのかな
いやおうなく迫り来る　砂を払う力なく
先端から蝕まれ　もうすぐ心を飲み込む
錆...

桜の花びら踏みながら　進む足取り軽くはなくて
引き返すのも もう面倒で　なんとなくメロディー口ずさむ
ラララ…
遠くで光る花火を見ても　前に広がる水面を見ても
心が動くことはないから　浮かびくるメロディー口ずさむ
ラララ…
あすになれば何かあるのかな
紅く染まった木を眺めながら　進む足取り軽くはなく...

あんまりしゃべれない性格を直したくて
悪魔と契約を結ぶことにしたんだ
手に入れたのはしゃべれるようになった自分
代償は酷く醜くい鬼のような自分
嫌だよ　嫌だよ　嫌だよ
本当は言いたくないのに
気持ち悪いから早く消えて
頭が弱い発言やめてね
ダサいから近寄らないでほしい
あなたを傷つけているバリゾーゴ...

ゆっくり歩こう
ゆっくり歩こう
忙しいのは分かるけど
心配させないで
ゆっくり歩こう
ゆっくり歩こう
あんまり周りは
気にしなくていいと思う
ゆっくり歩こう
ゆっくり歩こう...