五条アリカの投稿作品一覧
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【一番】
過食気味なのよ、私
多すぎるのよ、愛の言葉が
昨日と違う誰かが
同じ言葉をそっと囁く
月がない夜もギラギラ
ネオンサインは誘蛾灯だわ
誰も何処にも行けずに
黒い水面【みなも】に星は流れて
当てもない明日に誓いが欲しい...【曲募集】メタボリック・ラブ
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吹き抜ける 秋風がほら
木々を茜に染めてく
思い出と 言えないような
今が舞い散る ひなか
静かに 時は流れて
知らずに 僕らは生きる
零れた昨日たちが 静寂(しじま)に消え
誰一人気づかぬまま
いつかこんな時間さえ忘れてしまうの?
何気なく訊いた君を忘れない...タイトル未定
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張り詰めた月が照らす 帰り道
音のない夜を 二人で歩いた
繋いだ手の感触を 憶えてる
今は遠すぎる 冷たい空の下
二度とは戻らないと知っていれば
この手を離すことはなかったのに
君を置き去りにして時の砂が流れ落ち
積み上げた過去が思い出に変わっていく
誰か 僕の時を氷らせて
繋いだ 掌の温もりを...氷葬(仮)
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銅(あかがね)色の街
沈む夕陽が空焦がす
冷たい人の群れ
流れてく心失くし
気づけば一人きり
誰もが笑う「馬鹿げてる」
確かな願いだけ
離さずに走り出して
砕けた夢を拾い集め
誰も知らない地平まで...shooting star(仮)
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「あの月は泣いているのかな」
そんな、問いとも独語ともとれる言葉が、私の耳朶を揺らした。見上げた先には満月が、光のない空に独り浮かんでいた。人気のない河原に二人、草の上に腰を下ろし、空の鏡を静かに見上げる。
月を遮る雲はない。しかし、暗い夜空には星もなかった。透き通る闇の中で、月だけがぼんやりと...月の涙