タグ「初音ミク」のついた投稿作品一覧(21)
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【リン】
カイトさんが黄の国に入ったというのは、大臣の口から聞いた。
あの人は嫌いだけど、今はレンにも会いたくなかったから、情報の殆どは大臣の口から聞くものばかりだ。
レンと、もうどれくらい口をきいてないだろう。
それでも、会いたくなかった。
会ったらきっと、また酷い言葉を浴びせてしまうか...【悪ノ派生小説】比翼ノ鳥 第二十三話【カイミクメイン】
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【カイト】
ミクと過ごす時間は幸せで、そしてあっという間に過ぎていく。
毎日のように会い、話し、歌う。
それだけで、この上なく幸せな時間だった。
けれど、緑の国を経つ時は日に日に迫ってくる。
養父が俺とミクのことを見逃してくれているのも、その間だけ。幸せな時など、本当に一瞬で過ぎ去っていく...【悪ノ派生小説】比翼ノ鳥 第二十一話【カイミクメイン】
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【レン】
あれからずっと、きょうだいに関する痕跡を探している。
父上や母上の私室だった部屋を探ってみても、昔から居る家臣にさりげなく問いかけてみても、手かがりはなかなか掴めない。
日記の一つでもあれば何か解かったのかも知れないけれど、二人ともどうやらそういうものはつけない人だったようだ。けれど...【悪ノ派生小説】比翼ノ鳥 第十九話【カイミクメイン】
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【カイト】
暖かいというには少し暑くなってきた日差しを見上げて、高台の木の根元に腰を下ろす。ミクは未だ来ていないようだった。
高台は風がよく通ってそれが気持ちいい。
ピピピ、と小鳥の鳴き声がして、肩に、手に止まってくる。
「おはよう、いい天気だね」
そう声を掛けると、応えるように小鳥たちが鳴...【悪ノ派生小説】比翼ノ鳥 第十八話【カイミクメイン】
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【ミク】
気持ちよく晴れた日だった。
そろそろ暖かいというよりは暑いと言ってもいいような感じ。
そんな陽気の中をあたしは駆け足で高台まで登っていく。急ぐ必要なんか無いと解かっていても、それでも勝手に足が走り出してしまう。
早く会いたい。
そんな気持ちが抑えられなくて。
高台の広場の入り口...【悪ノ派生小説】比翼ノ鳥 第十七話【カイミクメイン】
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【カイト】
頭が痛い。
常に頭の中に響き渡る声が脳内を揺さぶるようで、気持ちが悪い。平衡感覚すら曖昧で、自分が起きているのか寝ているのか、それさえも解からない。
その声は只管に、ダメだ、ダメだと繰り返す。
誰も好きになってはいけない、許されないことなのだと。
思考さえままならない中で、以前...【悪ノ派生小説】比翼ノ鳥 第十六話【カイミクメイン】
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【ミク】
アパートの自分の部屋で、ベッドに寝転ぶ。
枕に顔を埋めて溜息を吐いた。
もう、何が何だか解からなかった。
あたしが殺されそうになったところを、カイトさんが助けに来てくれて、今度はそのカイトさんが倒れてしまった。一体何が原因なのかさっぱり解からなくて、苦しそうなカイトさんを見ながらあ...【悪ノ派生小説】比翼ノ鳥 第十五話【カイミクメイン】
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【ルカ】
物心ついたばかりの頃のわたしにとって、家の中全てが遊び場のようなものだった。
何しろ、うちは他の家よりも圧倒的に広かったし、色んな物が置いてあって興味のあるものは尽きなかった。けれど、離れにだけは近づくな、とお父さんからきつく言われていた。
しかし、子供にとってあれをするな、これをす...【悪ノ派生小説】比翼ノ鳥 第十四話【カイミクメイン】
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【カイト】
家を抜け出して広場に向かう。
それにしても、養父はこの国に居る間中俺を閉じ込めておくつもりなのだろうか。
そんなことをしたって、何の意味もないのに。
広場に行けば、ミクとレンくんが何か話し込んでいた。随分真剣な表情をしている。一体何の話をしているんだろう。
二人に近づき、声を掛...【悪ノ派生小説】比翼ノ鳥 第十三話【カイミクメイン】
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【ミク】
今日も天気が良い。
暫く晴天が続いているな、と思うとなんだかうきうきとした気分になる。特に春は、晴れている方が良い。
町の広場は今日も人がいっぱい居て賑わっている。
昨日は一人で居ると考え事をして歌えなかったけれど、今日はちゃんと歌いたい。昨日カイトさんと歌った所為もあってか、気分...【悪ノ派生小説】比翼ノ鳥 第十二話【カイミクメイン】
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【レン】
昨日はカイトさんとミクさんに何も言わずに逃げ出してしまった。
流石にそのまま黄の国に帰る訳にはいかない。ミクさんも、カイトさんも心配しているだろう。二人とも優しい人だから。
広場に行けば、噴水の前でミクさんが歌っていた。
やっぱり綺麗な声だ。そして、楽しそうに歌う。そんなミクさんを...【悪ノ派生小説】比翼ノ鳥 第十一話【カイミクメイン】
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【カイト】
昨日着ていた服よりも格段に仕立ての良い服を着て、俺は息を吐く。
養父に言われて大臣の娘と会うことになっているが、憂鬱でたまらない。いつもだって、それ程明るい気分という訳では無いが、これほどまでに憂鬱では無かっただろう。
しかし、此処まで来て会わないという選択肢も無い。
養父があく...【悪ノ派生小説】比翼ノ鳥 第十話【カイミクメイン】
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【レン】
三時を知らせる鐘が鳴り響く。
「あら、おやつの時間だわ」
鐘の音を聞いて、毎日リンが言うお決まりの台詞。
「今日のおやつはなあに、レン?」
「ブリオッシュだよ、リン。君が好きだって言ってた」
「ほんと?嬉しいわ」
リンが無邪気に微笑む。
それを見ていると、僕の顔にも自然と笑みが浮か...【悪ノ派生小説】比翼ノ鳥 第九話【カイミクメイン】
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【ミク】
良い天気だった。
春の日差しがぽかぽかと暖かい。
そんな中、あたしは広場で歌を歌う。昨日の、このくらいの時間にあの人と会ったんだな、と思うと腹が立ったり、憂鬱になったりするから、敢えて思考から取り払って。
もし来たとしても、口なんてきかない。無視だ、無視。
一曲歌い終わると、青い...【悪ノ派生小説】比翼ノ鳥 第八話【カイミクメイン】
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【カイト】
自室のベッドに寝転びながら白い天井を見上げる。
溜息を一つ。
「ひどい。望んでなくたってやってるなら同じじゃないですか!最低です!もう話しかけてこないで下さい!!」
そのまま走り去る彼女を呼び止めようとしたけれど、そうしたところで、言い訳の言葉など思い浮かばない。
彼女の言葉は、...【悪ノ派生小説】比翼ノ鳥 第七話【カイミクメイン】
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【ミク】
アパートから一歩外に出て、春の日差しを一杯に浴びる。
すう、と息を吸い込んでから声を出した。
「じゃあ、行ってきます!」
「行ってらっしゃい。今日はあたしも時間が空いたら聞きに行くからね」
「はい、有難う御座います!」
大家さんに聞いてもらえるなら、尚更気合を入れないと。
すっかり...【悪ノ派生小説】比翼ノ鳥 第六話【カイミクメイン】
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【1】
私はカナリア 空の鳥
歌が大好き 幸せな鳥
空を飛んで 私は歌を歌った
歌う喜びを歌った
高い音 低い音 遠くまで
春の風を感じて 夏の日差しに向かって
私は歌う 秋の彩りを
喜びを 悲しみを どこででも
冬は寒くて でも私は好き...空のカナリア ソロver.
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【カイト】
黄の国から海を渡って、一度青の国へと戻る。
南に位置する青の国は、黄の国と比べると随分暖かい。基本的に青の国に雪が降ることなど滅多と無いし、降ったとしても積もる事は全く無い。
殆ど一年中各地を転々としている俺でも、青の国に戻ると『帰ってきた』という気がする。矢張り俺が、この国で生ま...【悪ノ派生小説】比翼ノ鳥 第五話【カイミクメイン】
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【ミク】
お母様、と呼んで目の前の女性に手を伸ばす。
けれどその女性はあたしの手を振り払う。
泣きそうになったあたしに、大きな男の人が話しかける。
『これを持っていなさい。決して手放さないように』
渡されたのは、髪飾り。あたしみたいな子供がつけるようなものではない、高そうな、百合の髪飾り。
...【悪ノ派生小説】比翼ノ鳥 第四話【カイミクメイン】
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【レン】
「カイトさんは、もし手に入るならどの宝が欲しいかしら?」
普段よりは1オクターブは高い声で、リンが言う。その人と話をするのが心底嬉しくて堪らない、というような表情で。
相手の人は優しげな笑みを浮かべながら答える。
「私は、余りそういったものは欲しいとは思いませんね」
それはそうだろう...【悪ノ派生小説】比翼ノ鳥 第二話【カイミクメイン】
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こちらは「悪ノ娘」・「悪ノ召使」の派生小説(カイミクメイン)の注意書き及び設定になります。
■注意事項
・カップリング要素(カイミク)が強い。
・カイトがやたらとモテる。(バカでも鈍くもないが、ヘタレっぽい)
・あくまで妄想から発生したので、独自のオリジナル設定有。
・がくぽ、ルカも登場します。
...【悪ノ派生小説】比翼ノ鳥 注意書き及び設定【カイミクメイン】