* 幸福な日常の黄昏
「―ン、レン。レンッ!」
「ふぇ?」
その日の朝。俺‐鏡音レンは乱暴にゆさぶり起こされた。
いや、乱暴にゆさぶり起こされるのは、別に珍しいことではない。むしろ日常茶飯事だ。いつも、いっつも俺の部屋に闖入して、ゆさぶるに飽き足らず、気持ち良く夢を見ている弟に跳び乗り格闘技をきめてきやがr―くる人間がいるのだ。
「なーにが『ふぇ?』よ。」
顔をあげると、毎朝俺をいじめて楽しむ人間がそこにいた。鏡音リン―俺の双子の姉にあたる。俺とそっくりの赤みがかった黄色の髪に、空色の瞳。(ん?俺のが弟だから、俺がリンに似てるのか?)アホみたいに自己主張するアタマのリボンはご愛嬌だ。
「起きたんならさっさとどいてよ。重いのよぅ!」
寝ぼけまなこで状況確認。
ここは病院の一室。
開け放たれた窓にはレースのカーテンがかかっている。外は晴れ!朝日がまぶしい。-なんかチュンチュンいってるし、朝日だよね?
病室の中にはベッドがひとつ。個室ってやつだ。
ベッドの脇に設えられたテーブルには見舞いの品。ブドウとピンク色の花……プリムラっていったかな。ベッドを取り囲むように、なにやらよくわからない機械が並んでいて_あぁ、あれが点滴だって事くらいはわかるぞ。
点滴の袋からのびるチューブは、ベッドの上で身を起こしたリンの腕へとのびていた。
俺はベッドにもたれかかって眠っていたようである。ということは。ベッドにはリンがいて、俺の目の前にリンの膝がっ!
「ご、ゴメン!」
俺はあわてて跳ね起きる。
「―大丈夫?」
「なわけないでしょ!」
痺れた足を撫でながら、リンは涙目でお怒りだった。
リンが倒れたのはもう10日ほど前のこと。体育の授業中の出来事だった。
少し前から食欲がないといって、食事を摂らなかったリン。はじめはダイエットかよと笑っていた俺も、少しだけ心配になってきた矢先のことだった。
最初の数日は面会謝絶で。面会できてもほとんどリンは眠っていて。今もリンの顔には血の気がない。機嫌が悪いにもかかわらず、いかんせん迫力に欠ける。
逡巡する俺にリンは涙目で宣言する。
「お腹空いたし、ノド渇いたっ!」
……えーと?
「リン、食欲戻ったんだ?」
とりあえず喜ぶところかな。
「お・な・か・す・い・た。の・ど・か・わ・い・た。」
いやに晴れやかな笑顔でリンは繰り返す。
食欲不振で倒れたんだもん。きっと喜ぶところだよね。
「アシ、痺れた。」
ジト目でとどめのひとこと。ううっ解ったよ、何か買ってきますとも!
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ほら、おばあさんもジェ...☆ ネバーランドが終わるまで
那薇
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