オハコンバンチハ('-^*)/ scちゅいます ミーには絵の才能がありません。作曲もできません。 ただ、妄想ならまかせてくれ(^^ゞ 大好きなボカロのイラストや曲創ってる尊敬すべきユーザーの方々に。世界観の一助になれればいいなぁとおもってマスo(゜∇゜*o)(o*゜∇゜)o~♪ おいでませ、めくるめく妄想の世界へ☆★ ブログ:http://scdog.cocolog-nifty.com/
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* ミク -The Princess of Vampire-
「……姫。」
呼びかけにミク首をめぐらす。ひどくけだるげな所作だった。
唇には滴る赤。余韻を楽しむかのように、その血を舐め取る。
その細い首には、血の止まらない咬み跡。
瞳は緋。ミクは収まることを知らない欲望に支配されていた。
それでもし...ある吸血鬼の孤独について。 第2章5 ミク -The Princess of Vampire-
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* 覆水
「っ!ちがうっ!」
俺は激昂した。激しく首を振りながら否定する。
違う、違う、ちがう、ちがう!
頭を抱え、目を閉じ、耳をふさいで。
「俺は吸血鬼なんかじゃない!」
叫びはむなしく夜空に消えていく。
「俺は……吸血鬼なんかじゃ、ない。」
むしろ、それは願い。
「レンは、ヴァンパイアだよ。」...ある吸血鬼の孤独について。 第2章4 覆水 ※流血表現注意!
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* 悪魔の囁きと空白の時間
「こんばんは、レン。」
予期せぬ声だった。
ぐちゃぐちゃに撹拌されていた意識。思考は過熱し、血が沸騰していた。それなのに。
その声を聞いた瞬間、俺の身体はスッと冷えた。
視界はクリアに、思考は明瞭に。先ほどまでの火照りがウソのような変化。感じるのは自身の鼓動、ただひと...ある吸血鬼の孤独について。 第2章3 悪魔の囁きと空白の時間 ※流血注意
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* 偽り
「何してたのよっ」
リンに、怒られた。それはもう、凄い剣幕で。
14歳の誕生日から十日ほど経ったその日、俺はリンの横たわる病室へと辿り着いた。
行方をくらましていた俺を、皆が……リンが心配していた。
十日ぶりにみるリンは、なんだかとてもやつれていた。俺を心配してか、例の病気が進行したのか...ある吸血鬼の孤独について。 第2章2 偽り
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***** 2 欲望と崩壊 *****
* 未来
夢をみた。
少し切なくて、
どこか懐かしい……
夢をみた。
そこは何も無い荒野。
枯れた大地に命の気配はない。
なだらかな丘陵を、吹きすさぶ風が冷たく撫で、ヒョウと泣き声のような調べを奏でる。
空は灰。もう幾年の間、太陽がその顔を隠したままなので...ある吸血鬼の孤独について。 第2章1 未来
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* そう、その日確かに俺は死んだ
ザシュッ
鋭利な刃物が肉を切り裂く、おぞましい音が耳にとどいた。
絶対に死んだ!と思うのだが・・・・・・痛みは、ない。
俺は固く閉じていた目をおそるおそる開き、
その光景に息を呑んだ。
まず目を奪われるのは、視界を覆いつくすほどの緑。深い森の木々を思わせるような...ある吸血鬼の孤独について。 第1章8 そう、その日確かに俺は死んだ ※流血表現注意
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*
病室のカーテンを夜風が揺らす。
病室に灯りはともっていない。なのに充分に明るいのは満月だからか、或いは・・・・・・
「ホントに、いいの?」
窓際に立つ少女。夜空を見上げている。その背丈ほどもある、見事なまでのエメラルドグリーンの髪が、夜風にたなびいている。
ベッドに横たわる少女は沈黙をもって肯...ある吸血鬼の孤独について。 第1章7
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* 死神の影
ぬかった。
そろそろ日付も変わろうかという時間帯。俺は深夜の大通りを急いでいた。
深夜といっても時間はまだ12時前。人通りはそこそこあった。疲れを滲ませて帰途を急ぐもの、酒の香をまとわせて陽気に道ゆくもの、煌びやかな衣装を身にまとい客をひくものとさまざまである。
終わり行く今日を惜し...ある吸血鬼の孤独について。 第1章6 死神の影
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* 14歳の誕生日
いやにキラキラと輝くスカイブルーの隻眼に、俺は辟易していた。
「リン、も一回言って。何だって?」
「ふぁから、ふぁしふぁふぁあふぁしふぁひのふぁんふぉーふぃふぇふぉ、」
「わかんねーから。」
リンは俺の買ってきた食料を、片っ端から口の中に放り込んでいった。一応俺持ち、二人分の朝...ある吸血鬼の孤独について。 第1章5 14歳の誕生日
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* 幼き日々
ガキの頃の話だ。何歳だったかな。オレもリンもまだ小さい頃のことだった。
オレたちはある廃墟で遊んでいた。
随分前にうち捨てられた、金持ちのお屋敷だ。
リンが見つけて、オレたちの遊び場となった。秘密基地のような感覚だった。
元はその庭に植えられていただろうモッコウバラが、野生化し、あた...ある吸血鬼の孤独について。 第1章4 幼き日々
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* 音もなく崩れゆく
その日も、空は青かった。
いや、その日はいつにもまして、空が青かった。
雲ひとつない青天。ぼやける視界で、雲、見えなかっただけかなぁ。
「治らないってどういうこと?」
俺は思わず主治医の兄ちゃんに詰め寄っていた。いきなり立ち上がったせいで、俺の腰掛けていた丸いすはバランスを崩...ある吸血鬼の孤独について。 第1章3 音もなく崩れゆく
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* 幸福な日常の黄昏
「―ン、レン。レンッ!」
「ふぇ?」
その日の朝。俺‐鏡音レンは乱暴にゆさぶり起こされた。
いや、乱暴にゆさぶり起こされるのは、別に珍しいことではない。むしろ日常茶飯事だ。いつも、いっつも俺の部屋に闖入して、ゆさぶるに飽き足らず、気持ち良く夢を見ている弟に跳び乗り格闘技をき...ある吸血鬼の孤独について。 第1章2 幸福な日常の黄昏
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***** 1 誕生日と命日 *****
* 深い絶望のもりにて
「きっとさ―」
心地よい暗闇。
けだるいような、妙に質感のある空気が肌にまとわりつく。
鼻腔をくすぐるのは、すぐ隣に横たわる少女のカオリか、はたまたすぐ側に活けられたドクゼリの香りか_甘く、どこか切ない印象。
少女の表情は見えない。...ある吸血鬼の孤独について。 第1章深い絶望のもりにて
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ある吸血鬼の孤独について。
***** 0 それは記憶の彼方、静かな絶望に始まる物語 *****
少しだけ、昔語りをしようか。
ヴァンピーロって知ってる?吸血鬼って書いて“ヴァンピーロ”って読むの。吸血鬼の一種だよ。一種って言うからには、吸血鬼っていってもいろいろいてね……まぁ、その話はいいや。...ある吸血鬼の孤独について。 序章
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アタマのなか満たすオモイひとつ
食べたい
頭の片隅、発せられる微かな警告
必死に抗う僕がいてー
それにボクは気付かないフリするんだ。
タベタイー
キミのその白くて細いノド
欲望に濡れたこの牙で喰い破って
溢れでる雫、どんなアジするだろう
タベタイッ……...吸血嗜好症
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ーキミを守りたいー
握られた手首が痛い
ーキミのかわりはいないんだ……
囁きは熱を帯び、
まっすぐな瞳は悲壮なまでの覚悟を湛える。
その表情(かお)に、
その言葉に、
泣きそうになる。
そう、キミを守りたいよ
キミのかわりだって...キミという存在。