というわけでまた次の日。

いつもと変わらない一日。

僕は本を読み、初音はなんだか訳の分からない装置を組み立て、ルカはルカでまた爆睡している。いったい彼女はいつ起きているんだろうか。

そして昨日来たグミという女の子は――ただひたすらスマートフォンをいじくるだけ。

普通だったらこれ、部活じゃないよな?

そんなことを思いながら、僕はまたページを捲るのだった。



下校を促すチャイムが鳴ったのはそれから少し経った時だった。

ルカはまだ寝ていて、それにつられたのか初音も寝ていて、グミはスマートフォンをいじくっている。

――ほんとうにこれは部活なのかという疑問をぶちまけたい気持ちを心の奥底に埋込み、彼女たちを起こす。

「おい、下校だぞ」

「う、う~ん」

初音は、おおきなあくびをして言った。すごいな、今なら小さなブラックホールくらい作れるんじゃないか? とか思ってしまうくらいの吸引力だった。

「ほら、ルカも」

「うーん……タコはだめ~」

なんの夢を見ているんだ一体。

とりあえず二人を起こし、適当に帰りの準備をし、実験室から出て、扉を閉める。

――待てよ。

「あれ? グミは?」

「知らない。帰ったんじゃない?」

ルカには――だめだ。彼女はうつらうつらとしている。どれだけ疲れがたまっているんだろうか。

「ま、とりあえず帰るか」

「ん。じゃーねー」

初音は立ちながら寝るという器用なことをしているルカを強引に引っ張って連れ去っていった。

そのあと僕もそれについていくように去った。






デジャブというのを知っているだろうか。

実際は一度も体験したことがないはずなのに、既に見たことがある、と脳が判断してしまうことだ。

今、僕はそれを強烈に感じている。

なぜかって?


僕は今理科室で文庫本を読んでいた。

今日は初音もルカも来ない。かわりにグミがスマートフォンをいじくってた。

とりあえずさっきコンビニから景品目当てで買ってきたお茶をグミに差し出す。

グミはそれを無言で受け取ると、一口飲んだ。

そして、またスマートフォンをいじくりはじめた。

――さて、既視感(デジャブ)はここからだ。

いきなり、理科室の扉が開け放たれ。

入ってきたは初音とルカ。

そして初音は開口一番、なんて言ったと思う?


そう。

「MGR団を結成するわよ!」

なんと初音は3日前に言ったセリフ、そのままそっくり言ったんだ。




つづく。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

僕と彼女の不思議な校内探検 5【リレー】

……どこぞのラノベで見たことある展開とか言っちゃダメ。

ルカさんが爆睡キャラになってますがこれもこれで伏線がある……はずっ。

ユルカラインさんの第4話:http://piapro.jp/t/rQ76

閲覧数:253

投稿日:2011/10/30 22:17:35

文字数:1,050文字

カテゴリ:小説

オススメ作品

クリップボードにコピーしました