※注意 リンちゃんが可哀相な設定です。
    レンきゅんがお兄ちゃんです。
    柊はレンきゅんが大好きです!

「もうお嬢さんは長くないでしょう」
お医者様の言葉を聞き、両親は泣き崩れた。僕は、妹を見つめてその場に立ち尽くした。
どうして、妹は今寝台に横たわっているのだろう。
どうして、妹は今にも止まりそうな細い息をしているのだろう。
どうして、僕じゃなくて妹はこんな事になっているのだろう。
「リン……」
僕は妹の名前を呟くと、妹の手をぎゅっと握った。妹の手はとても冷たかった。
「リン、リン、リ……」
僕は何度呼んでも返事をしない妹の手を自分の額に押し付けた。
「ごめん、ごめんね。僕のせいで……。リンは悪くないのに」
僕は妹に何度も謝った。
父さんは、僕の肩に手を置いた。
「お前達が父さんの言いつけを破って、あの森に行ったから悪いんだよ。何度も言っただろう? あの森には、毒を持つ恐ろしい怪物がいると」
「父さん、母さんごめんなさい。僕が森に行くって言ったから、リンは僕の後について来て。怪物に襲われかけた僕をリンは庇って……」
母さんは僕を優しく抱きしめた。
「レン、もう良いわ。あなたはもう自分の部屋にいなさい。リンはちゃんと母さん達が見ておくから」
僕はうなずくと、自分の部屋へ入った。
僕は部屋に入ると、寝台に額をこすり付けた。
そして、僕は笑った。父さんや母さん、お医者様にバレないくらいの声で笑った。
やっと、妹は僕の前から消えるんだ。これ以上に嬉しい事は無い。
全部妹が悪いんだ。僕より後に生まれた癖に何でも簡単にこなして、いつも僕は妹と比べられて馬鹿にされた。しかも、妹はそんな僕を「お兄ちゃん」とか呼んでついて来る。鬱陶しい鬱陶しい鬱陶しい。
だから僕は殺したんだ、大嫌いな妹を。
どうして、妹は寝台に横たわっているのだろう。
――僕がそうなるようにしたから。
どうして、妹は今にも止まりそうな細い息をしているのだろう。
――僕が妹に森で毒を盛ったから。
どうして、僕じゃなくて妹はこんな事になっているのだろう。
――僕がやったからに決まってる。
でも、1つ誤算があった。
笑う僕の口から血が零れる。
まさか本当に森には怪物がいて、僕がその怪物の毒を受けてしまうなんて。
僕の意識は遠くなり、途切れた。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

可哀相な兄妹

レンきゅん大好きな柊ともみです。
レンきゅんが絶対にしなさそうな事を書いてみました。
何だかんだで楽しかったです!

閲覧数:153

投稿日:2010/12/20 17:55:36

文字数:968文字

カテゴリ:小説

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