今日、どうしても撮りたい構図があったのです
だからボクは写真を撮りに出掛けました
昨日の雨が嘘のような青空
(これなら撮れる!)
理由の伴わない確信がボクの全身を駆け巡っていました
どうしても撮りたい一枚(ワンショット)があったから
ボクは意気揚々と街中を探し回りました
住宅街の片隅
民家の庭木の下
商店街のわき道
繁華街の裏通り
あるだろうと思っていた場所の何処にも、探していたものはありません
(ここならあるだろう)
ボクは最後の宛所、公園にやって来ました
植え込みの木陰
砂場の隅
ジャングルジムやシーソーの下
頼みの綱のブランコの下にも、あるはずのものがもうなかったのです

水溜まりに映る青空が撮りたかったのに………

水溜まりに映った青空に手を伸ばし
「つっかま~えたっ!」
ボクはそんな構図の写真が撮りたかったのですが、もう水溜まりはありませんでした

ボクは青空に手を伸ばし、掴むことの出来ない空を掴もうと頑張ってみました
そんなボクを見た青空が、クスッと笑ったように聞こえました
ボクは青空に言いました
「いつもそこにいてくれてありがとう!上手く言い表せないけど、いつも感謝しているよ」
ボクの気持ちが届いたのか、青空はいっそう高く澄んでいました

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい
  • オリジナルライセンス

一枚(ワンショット)

この作品は、空天さんの誕生日プレゼントの為に作りました。
この作品はフィクションです。

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投稿日:2013/06/27 15:24:46

文字数:533文字

カテゴリ:小説

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