「なぁ、そう言えばルカって武器持ってないのか?」
「私は戦いとか苦手だし、そもそもそういうのとは無縁な世界で暮らしていたので…」
「ルカさんやハクさんってお姉さんみたい。良かったらハク姉、ルカ姉って呼んでいい?」
「そんなルカ姉だなんて…照れるわ。」
「なんか特技ねぇのか?歌以外で」
皮肉を混ぜた言葉にルカは少し考えた後何かを閃いたように手を叩いた。
「あっ!でも私、魔法は多少なら使えるのよ?私の家系は昔から魔法が使えるの」
「魔法?魔法って何だ?食えるのか?」
「食える訳ないじゃない!その…魔法ってのはね…えっと…」
「口で言うより実際に見た方が良いわ」
そういうとルカは軽く微笑んで指先から炎を出した。
「おおっ!すげぇ。火が出てる。これでいつでもたき火が出来るな、焼き芋食えるぜ!
」
「全くあんたは…」
「うふふ。でも私、今はちょっと訳ありで魔法という魔法は使えないのよ。だから戦いとかになったら遠くに避難しとくわ」
「解った。戦いになったら俺達が全力で守ってやるよ!だから安心してな!」
「カイト…」
「はいはいお二人さん。イチャつくのはその辺で…」
「皆、伏せて!」
ハクがいきなり大声を出すと同時にハクが銃弾を遥か後ろの茂みに撃ち込んだ。
「あら?逃がしちゃったかしら?それにあの格好は…」
「ハク姉?いきなりどうしたの?いきなり大きい声出すからビックリしたじゃない」
「そうですわ。ハク、いったいどうしたのよ?」
「ゴメンなさいね。急に後ろから銃弾が飛んできたものですから…」
「銃弾って…何で私達が撃たれなきゃならないのよ?幸いハク姉が居たから良かったけど、私達が狙われる理由でもあるの?」
「アタシに聞かれても解らないですよ。アタシだって疑問に思ってるとこですから」
「まさか…ね…」
「ん?どうしたの?ルカ姉?」
「いえ、何でもありませんわ。早く行きましょ」
「カイト?どうかしたの?ハク姉が撃った茂みをじっと見つめて…」
「いや、何でもねぇよ。気のせいだった、行こうぜ」
その言葉を後に歩き出す四人は、ダリア村近辺に近づいた時。村の異変に気づくのであった。
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「あぁ、解ってる。何か嫌な予感がするんだ、もしかして酒場を襲った奴らがいるかもしれない」
急ぐカイトを追いかけるように走る三人。カイト達が村に着くとそこには変わり果てた村の姿が目に飛び込んで来た。
「ひでぇ…」
「どうしてこんな酷い事…」
「村人の姿が見えない、探してみよう」
「ついでに火を消さないと!そこにバケツがあるわ。それで水を汲んでいけば何とかなるかも?」
「よし、皆消化活動及び、村人の探索だ!」
皆が頷くとバケツを持って四方に散らばった。しかし付近を探索するが、村人の姿は一人も見当たらない。
「ダメだ。誰もいねぇ」
「こっちにも誰も居なかったわ」
「こちらもですわ」
「こちらも居なかったです」
「でも、火はおよそ消えたね」
「あぁ、それは良いんだが村人が誰も居ないって事は皆逃げたのか?」
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