あいさつの代わりにって真っ赤な笑顔で
揺らぐ視界もふらつく足元も
まるで宇宙遊泳みたいだなんて
空に浮かんで溶けちゃいそうになる


だいどこに立つのも難しくって
抱えられたまま暗くて温かい宇宙に
「何が悪かったのかな」ってフワフワ
「どうしたら良かったの」ってシクシク

差し込んだ明かりの先に浮かんだ湯気が
私を包み込んでお風呂みたいだった

ちいさくちいさくさじの上
少しずつ移る熱を飲み込め

優しくされたらその分だけ言いたいのありがとう
でも喉が嗄れていては頷くしか出来なくって
撫でられたまま赤ん坊みたいにあやされて
扉の締まる音を聞いてはまた雫をこぼす


元気だった頃を思い出してて
忘れていたまま熱くて味気ない宇宙に
「花の香りはわかるかな」ってフワフワ
「大好きって言えるかな」ってシクシク

差し込んだ月の光でぼやけてく影は
叶わない明日の予定を象ってるんだ

おおきなおおきな布団の中
少しずつ冷める熱を追い出せ

許されたみたいにうなされて呟いたのごめんなさい
でも体が重たくって寝返りもうまくいかなくて
横たわるまま赤ん坊みたいに見つめられて
寂しさ埋める音を受けてはまた願いを記す


熱くて痛くて苦しくて眠れない
重くて怖くて寂しくて起きれない
時間が止まったように永遠を感じては
代わり映えしない時計の針を少し恨む

サウナの中で寒くて凍えて震えてる
逃げたいのに体が動いてくれない
境界の無い悪夢はいつだって不真面目
指先を包んでいた微かな熱だけが本物


カーテン越しの空が明るさを取り戻す頃にはもう
涙の跡も悪夢の影も夜が食べ尽くしたみたい
少しずつ動いた足でなんとか押し出せる声で
大切な気持ちへありがとうを届けに行く


そして少しだけ怒られて少しだけ撫でられて
もう一度ベッドへエスコートされるんだ
今度はきっといい夢だといいのにな
次は絶対にもも缶だといいのにな


ありがと
おやすみ

ライセンス

  • 非営利目的に限ります

熱冷ましセレナーデ

熱が出るのは悪い事じゃないし、辛いことだよね。

閲覧数:85

投稿日:2022/09/16 21:47:55

文字数:817文字

カテゴリ:歌詞

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