倒れている彼女を見て、ただ思う。

「助けなきゃ」

そう思うのに、すぐ動かないこの足が憎い。

俺の、ばか。








「…………っ」
「リン!?」

慌ててリンを抱き起こす。
熱い。

「熱が…高い……」

リンは具合が悪かったんだ。
確かに、いつもの笑顔がひきつっていた。

―――それなのに、俺は。


「ちょっと待っててリン……!!」

俺はリンをお姫様だっこして、保健室へ走った。






――ガラッ

「めーちゃん先生!助けて!!」
「は!?どうしたの、鏡音!」
「リンが、リンが……っ」
「……とりあえず落ち着きなさい。」
「だっ…だって熱が高くt」
「落ち着けってんでしょうが!!」

ガスッ!

思い切りベッドに突き飛ばされた。
ちくしょう、いてぇぇえ!!背中打った!

「…これはなかなか高いなぁ。」
「何度だった!?」
「まだ計れてないから。そんな性能いいやつじゃないし。」
「めーちゃんならできるだr」
「お前の頭が重傷だガキ」
「生徒にガキって……よく先生になれたな…」
「おかげさまで。」

ピピピピピピピピピ……

軽快な音が保健室を巡る。

「38.6℃、だってよ。よく学校来たもんだ…」
「だ、大丈夫なんだよな…?」
「さっさと家帰って寝ればね。連絡しとくから、アンタ連れて帰って。」
「らじゃっ!あんがとめーちゃん!!」
「美しい優しいメイコ先生様だろーぉ?」

めーちゃんの怒鳴り声を背中で聞いて(つまり聞いてない←)、
リンを教室まで連れて行った。





「鞄、鞄と。リンの……あった。」

よし、ついでに俺もサボってリンを見守っとこ。(おまw

「さっさと帰ろΣぅぅう゛っ!!?」

鞄を持った瞬間、一気に鞄の方向に倒れた。
なんだこれ!?重っ……!!(Д;)

「あーあー、中身出ちゃったよ…」

――――そこで俺は固まった。

と、同時にリンが目を覚ました。
なんてタイミング。

「………レン………?ここどk」

俺を見てリンが固まる。まあ見事に。

「ふあああああああああああああああああ!!!?」
「リン、これって」
「べ、別にあんたのためじゃ……っ!!」


俺の手には―――大量のCDだった。

「たっ…ただ、あんたがこの前好きだって言ってたから…!!」
「覚えてたの?俺がマスターズ好きって。」

この前、マスターズという歌手が好きだと言った。
俺もうっすらとしか覚えていない。

のに。

「たまたま…持ってたから、パンのお返しにでもって……」

リンが真っ赤にして、必死に説明する。
熱のせいなのか照れているのか。

「ありがとう、リン」
「…………どういたしまして」

リンを優しく抱きしめる。ほんと大好き。

「リン、キスしていい?」
「………へ?」

いっきに冷や汗をかくリン……いや、これ冷や汗なのかな?

「や、え、ちょ、だって熱がさ」
「大丈夫。優しくするから。」
「そういう問題じゃない………、っつ!」

優しく、包み込むように半強制的に唇を重ねた。

「……レン」
「何?」
「頭ぼーっとする。」
「んじゃ、倒れるまでやろうか!」
「ふざけんなクソレン」
「だいじょーぶ、看病してあげるから」


ほんと、馬鹿。
そう言いながら呆れるリン。


「風邪うつっても看病なんかしてあげないから」
「……それは困るなぁ」



そんなことを言いつつキスを続ける。

タイムリミットは、6時間目の音楽が終わるまで。

それまでは―――絶対離さないから。




……後日、俺はめーちゃんにすっげえ怒られた。

その上、リンは『自業自得』とメールしてきた。


家ですりゃよかった。今更すぎるけど。



+see you+

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

オレとアタシ 4

らび「家でいちゃいちゃしてもらおうかなーと思ったけど、成り行きでやめたw」

リン「その展開にしてたらフルボッコしてたね…」

レン「でもそれでも良k(ry」

リン「黙れ変態!!」

らび「でもツンデレ書けてよかった!ツンデレは神!!」

レン「だな!あぁぁぁあリンかーわいー!!」

リン「とりあえずおまえらは氏ね」

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投稿日:2010/08/07 22:05:56

文字数:1,554文字

カテゴリ:小説

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