僕は何時もの様に家事を終え、居間で一息ついた。
1人暮らしは楽だけど、やっぱり退屈だなぁ…
前は他のVOCALOID達と一緒に住んでいたんだけど
新しい人や亜種など、ドンドン増えて部屋が足りないって事になって
ミク・リン・レンはまだ早すぎるからめ―ちゃんに任せて、僕が出て行くことになった
最初はレンやがっくん、あーくんに帯っちゃんに反対にされていたんだけど…
近くのマンションだし、連絡するし、遊びにも行くからと説得して
何とか納得してくれた
今思えば…何であんなに必死だったんだろう?
ピンポーン
あれ?もう来たみたい
「いらっしゃい ニガティー」
「こんにちわ カイト」
「今日は早かったんだね」
「…イヤ…だった?」
「そんな事ないよ。ちょっと吃驚しただけ、会えて嬉しいよニガティー」
「ぼくも…うれしい♪」
あぁもうニガティーは本当に可愛いなVv
ニガティーは僕が前に住んでいた家に居るVOCALOIDで僕の亜種
きれいな翡翠の髪と瞳で身長は僕の腰あたり
言動とか行動が幼くて僕の癒しです
僕が出て行く前はニガティーはトテトテと僕の後ろを付いてきて抱きついたり
家事を手伝ってくれたりとってもいい子
ただ…ちょっと内気で怖がりなので
よく押し入れに隠れることも多いのです
「ニガティー、抹茶アイスだけどいい?」
「うん♪」
ニガティーを椅子に座らせて冷凍庫から抹茶アイスを2つ取り出して器に移した
生クリームや小豆などでトッピングして1つはもう1つは僕
「「いただきます」」
抹茶はニガティーが好きだから冷凍庫には必ず抹茶アイスを入れている
ニガティーは苦い物全般が大好きだからゴーヤとか抹茶などを使った
料理とかお菓子とか勉強しています
「後で皆の家に送るね」
「カイト…さいきん…ムリしてる」
「えっ?大丈夫だよニガティー」
「ムリ…しないで…ムリして…笑わないで…」
「ニガティー…」
ニガティーは本当に凄いな…
僕が出て行く前から色々と敏感で僕が体調を悪くした時もいち早く気がついて知らせてくれた
「本当に…ニガティーには敵わないな」
「…カイト」
「ほら、もう泣かないでニガティー。君が泣いていたら僕まで悲しくなるでしょ」
「…うん」
泣きじゃくるニガティーを宥めて優しく抱きしめた
不安で泣きじゃくる小さな子供を慰める親ってこんな感じなのかな?
「ねぇニガティー…君は十分僕の支えになってるんだよ」
「カイトの?」
「うん、君が笑顔でいると僕も嬉しいし、君が泣くと僕も悲しい。君は僕にとって唯一の心の癒しになってるんだよ」
「ぼく…カイトの…ヤクに…なってる?」
「うん。君はイラナイ子なんかじゃない。十分役立ってるから笑って、僕は君が笑ってくれたらそれだけで幸せなんだよ」
漸く泣きやんで笑顔になるニガティーに僕も笑う
「さて、そろそろ行こうか…ニガティー?」
「…もうちょっとだけ…のんびりしちゃ…ダメ?」
「まさか、いつでも大歓迎だよ」
後ろに抱きついたニガティーを正面に向きなおして抱きしめた後、そのまま抱っこして背中を軽くぽんぽんと叩くとニガティーはウトウトしだした。
「ちょっとだけこのままお昼寝しちゃおうか」
「…うん。カイト…うた…って」
「いいよ」
ニガティーはよく僕の子守歌を聞いて安心して眠っていた
そういえば暫く実家で泊まってなかったからニガティー不安だったんだろうな…
眠るニガティーの翡翠の髪に軽く口づけて寝室に運び、僕もニガティーと一緒にベットに入り子供特有の体温が気持ちよくて眠ってしまった
その後起きたのが夕方でニガティーを実家に送ったらめ―ちゃん達に心配させてしまった
でもニガティーは明日も来ると言ってくれた
やっぱり君は僕の癒しだよ
また一緒にのんびり過ごそうね
end
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