「ただいまー。」
謎のスモークエネミーズとの戦いを終わらせて、へとへとの体のまま俺は家に到着した。
「お帰り。今日は早いわね。」
いつもなら、修也と晴之と一緒に買い食いをしながら帰るのだが、昼間に出てくるという全く新しい種類がいるということが分かり、まさかと思って真っ直ぐに家に帰ってきた。まぁ、この様子なら心配はいらないみたいだ。
夜ご飯を食べ終わり、風呂に入って、寝る支度をする。だが、まだスモークエネミーズは出てくるから、まだ警戒をする必要がある。…たまに考えるんだ。俺は人を守るために戦っている、それは理解できるのだが、スモークエネミーズは人の魂を食べに来ている。それは食物連鎖と同じではないのか。と思うときがある。俺たち人間だって、豚や鳥や牛などの肉を食べて生活している。あの動物たちだって食べられるのは嫌だろう。人間と同じ考えをするだろう。それでも俺たちは食べている。生きるためには仕方のないこと。でも、食べられたくはない。たまにこの自分の考え方に疑問を感じるんだ。でもやはり、いつ考えてもきりがない。どうやっても答えが出せないんだ。
と、考えているとレーダーが鳴った。窓を開けてベランダへ出ると…思わず目の錯覚かと思い目を擦る。恐る恐るレーダーを確認すると…やはりこいつら全員スモークエネミーズなのか。レーダーの反応を数えてみると……26、27、28!とんでもない数だ。しかも全員昼間に出てきた奴と同じ…。だからと言って戦わない理由にはならないか…。
「ミストアップ!」
変身してスモークエネミーズの群れの中へと跳び出した。
スモークエネミーズは俺に気がつくと、一斉にビームを吐いてきた。
「それは効かねえって知ってるんだよ!」
ビームを受けながらも、猪突猛進しながら一気に3体倒すことができた。しかし、昼間の奴同様に倒しても煙が出てくることはない。しかも、修也たちを治したときに煙を使ってしまい、身体能力を上げるための煙があと1回分しか残っていない。これをいつ使うべきか…。そして、その場にいた5体を倒して移動した。
次の奴の場所に行くと、残り全員が集まっていた。俺はここで使うべきだと思い、残り1回分の煙を浴びた。俺はスモークエネミーズを倒していった。しかし、6体倒したところでビームが効かないことに気づいたのか、攻撃が物理攻撃へと変わっていた。さすがに、14体の一斉攻撃は避けきることはできないが、懐に入ったり、剣を投げたりと工夫して倒した。
「あと…1体…。」
俺は最後の1体を倒そうと剣を振りかざしたが、そのまま体が前方向に倒れた。
「もう少し…もう少し…なのに…」
剣を掴もうとした瞬間、朝日が差し込み夜明けが訪れた。それと同時にスモークエネミーズも消えた。
「よかった。…守れたんだ…よな。」
…その地面には変わった形のパイプだけが残されていた。
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