孤独を厭(いと)うて 誰かを求めた
引き寄せられるように 触れた掌
奇跡と知るから 放さない
東の街でこだまする囁き
西の森では羽音が切り裂く
その中心で 僕は
離れるよりはいいだろと
君の右手を強く握った
片手が使えないのは 不便でも
この不自由さに満足している
一人を厭うて 二人を望んだ
求められている喜びを
忘れぬ為に 放さない
南の砂漠で轟(とどろ)く静寂
北の海では汽笛が鳴る
その中心で 僕は
離れるのは嫌だから
君の右手をぎゅっと握った
僕のそれより小さな手が
僕を支え 導いてくれる
天の虚空で爆(は)ぜる雷鳴
地の果てでは影が笑う
その中心で 僕は 僕らは
もう二度と離れぬよう
互いの手を固く繋いだ
片手が塞がっているのは 不便でも
この不自由さに満たされている
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