女王は使用人に、姫を殺して夕食に出すように命じました。
しかし使用人は気が弱くそんなむごいことができるはずありません。なので姫を殺さず森の奥へ逃がし、鹿の肉を用意することにしました。
その夜、食卓ではいつもより早く女王が席に着いていました。そこに、やたらテンションの高くした王が入ってきました。
「あ~お腹空いたなぁ。そういえば今日はとてもいいお肉が手に入ったそうだね」
「そうね」
ひじを突いて素っ気なく答える女王に笑顔を向けながら、王が席に着いた時ちょうど料理が運ばれてきました。メインのお肉は二人の真ん中におかれました。
「あれ? 姫はどうしたのかな?」
王は姫がいなくて当たり前のような雰囲気に違和感を覚えました。
「姫は体調が悪いそうよ」
これまた興味なさげに答える女王。
「じゃあ、お見舞いにいかないとね」
「その必要はない、と言っていたわ」
即答する女王はうっとうしそうに答え、話題を逸らすように料理に手をつけ始めました。
王もお腹ペコペコだったので、さっそくメインディッシュに手を伸ばしました。
「いたっ」
王は思わず手を引っ込めました。女王にフォークで手を刺されたからです。あまりの痛さに王は涙ぐみながら女王に尋ねました。
「なんで刺すの? 僕なんかした?」
「した。あたしの料理に手を出そうとしたわ」
「・・・・・・僕はお肉食べちゃいけないのかな? どうして?」
女王はしばらく考えた後、
「私が食べるからに決まってるでしょう」
と自信満々に答えたものの。
「これ全部食べると体重がすごいことn」
女王は無言で王のむこうずねをハイヒールのつま先で蹴りました。王はつっぷしてしばらく動きませんでした。
そのあいだに、女王は夕食をきれいにたいらげました。
さて次の日、女王はまた鏡に尋ねました。
「うわwww女王様ちょっとふとっt・・・あー! あー! やめてやめて。割れる割れる。・・・ふう。そうだねぇ。やっぱりあの姫さんかね。ところでなに食ったんだい? その腹は尋常じゃ・・・・・・うわー!!」
女王は昨日の肉が姫ではなかったということにようやく気付きました。
「ったく、最初から自分で殺しておけばよかったわ。気が動転してたのね、きっと」
それから女王は城中を探しましたが、姫の姿はどこにも見あたりません。代わりに昨日命じた使用人を見つけると、一睨みして姫の居場所を吐かせました。
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