「あいしてる。」
少年はそう言って、その手に握ったナイフを振り上げた。
愉しそうに。
哀しそうに。
その瞳が向けたのは、ただ純粋な「愛」。
そして今日も、その歪んだ愛を少女に向けるのだ。
少年らしい、ひたむきさと激しさを持って…。
少女の白い肌に、真っ赤な薔薇が咲く。
それは紛れもない「愛」の証…しかし、
激しい痛みを伴った紅は、確実に少女を蝕んでいった……。
「×××、」
少女の澄んだ瞳が少年を見据えた。
「愛してる」
微笑んだその表情は、ただ純粋に美しく、
そのまま少女は少年の唇を塞ぐ。
少年の手からナイフが滑り落ちた。
少女はそのナイフをそっと手に取り、そして――
少年の目が、一瞬大きく見開かれる。
「これからは、アタシだけを見て。」
少年の体が跳ねた。
力を失った少年の顔を見て、少女が首を傾げる。
不思議そうに。
不思議そうに。
「ねえ、どうして息をしてないの?」
少女が握ったナイフは、少年の背中を深く深く切り裂いて。
「ああ、わかったわ!」
少女が笑う。
「アタシがあなたに息をあげる。」
再び深く口づける少女は、
「これからはアタシ無しでは生きられないのよ、ね?」
その瞳は、
ただ純粋な「愛」に染まる。
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