薄氷融けて 春の音
仮初めのこの恋よ なんと詠う
泡沫に消えるは 貴方の洋燈の灯か

遣らずの雨よ あの人を濡らせ
どうか行かないで下さい
私の膝で微睡んで下さい

十六夜沈まぬ 宵の月
玉響のこの夢に なんと詠う
細波に消えるは 貴方への初戀か

静寂の宵よ 永久を刻め
どうか往かないで下さい
私のことを離さないで下さい

別れの櫛を この髪に挿して
どうか逝かないで下さい
私の胸に帰参して下さい

嗚呼 止め処無く流るるは涙雨


(ひらがな)
うすらいとけて はるのおと
かりそめのこのこいよ なんとうたう
うたかたにきえるは あなたのランプのひか

やらずのあめよ あのひとをぬらせ
どうかいかないでください
わたしのひざでまどろんでください

いざよいしずまぬ よいのつき
たまゆらのこのゆめに なんとうたう
さざなみにきえるは あなたへのはつこいか

しじまのよいよ とこしえをきざめ
どうかいかないでください
わたしのことをはなさないでください

わかれのくしを このかみにさして
どうかいかないでください
わたしのむねにきさんしてください

ああ とめどなくながるるはなみだあめ

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • 作者の氏名を表示して下さい

純風恋唄

えせ和風で、個人的趣味です。
和が好きで、和の言葉も好きなのでとにかくいっぱい詰め込んでみました。

閲覧数:127

投稿日:2008/03/16 18:38:33

文字数:499文字

カテゴリ:その他

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