「・・・・ふふぁ」
窓から差し込む朝日に優しく照らされてミクは目が覚めた。
「・・・うう、もうこんな時間・・・・」
時計を見ると、本来起きるはずの時刻より2時間オーバーしていた。
「・・・でも、まあいっか」
ミクは、昨日のことを思い返しながら、自然と口元が綻ぶ。
さて、今日もまたいつもと変わらない<日常>が始まる。
「・・・・ふふぁ、おはよう、リンちゃ・・・」
ミクは、リビングにいるはずのリンに声をかけかけて、言葉が止まる。
いない。
「・・・え」
ミクは、リビングのあらゆるところを探した。もしかして、待ちくたびれてどこかに隠れているのかもしれない。そう期待して。
・・・でも、
「・・・いない。・・・どこいっちゃったの、リンちゃん・・・」
相変わらず、いないという事実は変わることはなかった。
そのあと、微かな希望を抱いて家中を探したが、どこにもリンはいないのだった。
・・・空は青いし、日差しも優しく、暖かい。・・・でも。
「・・・でもね、・・・あたし、もう無理。・・・疲れちゃったよ」
あたしの心は、疲れきって荒んで冷たく冷え切って、空っぽだった。
あたしは、だいぶ騒がしくなった街中をショルダーバッグを肩にななめ掛けにして歩いていた。
ただただ、あてもなく。
「・・・・」
あたしは、昨日のことを思い出して少しだけ心が温かくなった。・・・ような気がする。
あたしは、ただふらふらと歩き彷徨った。
「・・・・ね、家に帰らなくていいのか?レン」
「・・・みんな・・・マスター(作者)以外何も思わないよ、誰も」
ふて腐れるレンにグルトは、
「そうかねぇ・・・・」
と、ぼやいた。
2人は、グルトの家に存在していた。
「俺が見る限りじゃ誰もかれも大切にされてたけど」
「・・・そんなの、知らないよ」
「でも、だからって、家出しなくてもいいんじゃないか?」
「・・・・」
レンは窓から外を眺めて、ため息をついた。
外は、レンの気持ちとは裏腹の天気のいい陽気だった。
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「・・・・うん」
レンは、頷いて立ち上がった。
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