哭き声が止んだ
何も聴こえなくなった
視界が溶け出した

白景になった
黒点だけ残して
全部溶けていった

何が足りないのか分からないや
何が足りないのか分からないや
何かが欠けているらしい
化粧を塗って 仮面を着けて

何が足りないのか分からないや
何が足りないのか分からないや
何かが壊れているらしい
普通を演じて 異質を隠して

何が間違っていたんだろう
取り壊して創り直したって
これ以上人に成れないよ
あの人には成れないよ

蠢いて 蠢いて
溶けだして 融けだして
意識ごと 命ごと
白景に吸い込まれた

人の気持ちなんて分からないよ
愛することなんて分からないよ
伝えたいことすら分からないよ
かける言葉なんて見つからない
思いやりも持ち合わせてないよ
何が常識かも分からないよ
大事な骨組みが足りないんだ
在るはずの支柱が欠けてるんだ

殻の瓶に命を挿して
鮮やかな血肉を注ぎ込んで
名前のついた赤が実って
澄んだ泣き声が鳴り響いた

腕の中で乳を吸って
愛を知って 人を識って
細い指に輪を潜らせて
子の命を育んで

土の上で泥を啜って
愛を知らず 人を知らず
細い首に輪を潜らせて
この命に終わりを告げたんだ

同じ設計図の元に生まれてきたはずなのに
いつから私は人の皮を纏う
「何か」に成り果てていたのだろう

黒い染みと白い余白
ただそれだけ残して溶け出した

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

化生 / 初音ミク 歌詞

閲覧数:3,902

投稿日:2020/07/21 03:28:57

文字数:590文字

カテゴリ:歌詞

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