最初にお伝えしておきますが、
私は歌詞と同時にメロディーを考えます。
ゼロから作る場合はコード進行→メロディー&歌詞という順序です。
どちらかというとシンガーソングライターのような感じと思ってください。
メロディーは後で考える場合、
同じ方法ではなかなか上手くいかないかと思います。


私が歌詞を考える時、とりあえず詞をまず書く場合は
テーマとなる物、人、もしくは単語をまずチョイスします。
それに見合う周りの物を作る、もしくは選びます。

その上で大雑把に1番を作る。
とりあえず1番が完成した場合、1番で一区切りつける歌詞なのか、
最後まで通して意味を成す歌詞なのかを決めます。

フルコーラスで作り、まず全体を通して読んでみて、
・複雑すぎないか
・難しい単語が多すぎないか
・接続詞の数
・動詞と形容詞、修飾語のバランス
・母音と子音(主にメロディーを同時で考えている場合は重要)
・韻を踏むような歌詞、曲の場合はそれも考える。

そしてその後に字数を考えます。


まず、歌詞というものは主にストレートな歌詞が歌いやすいです。
難しすぎるとメロディーを付けたとしても小説の朗読になってしまいがちです。
世界観の奥行きを考えた上で、それが1曲で余裕を持ってあらせるのか。
無理なら世界観を縮める必要性があります。

また、難しい単語が多すぎても、難解になってしまいがちです。
アクセント的に使うのが一番有効的だと考えます。
逆にストレートすぎると幼稚になるので、バランスが大切です。

接続詞に関してですが、例えば

愛している そんな言葉も
時には悲しく 響く意味
まるで私を暖めるよう
紅に染まる 空

こんな歌詞があったとします。
「も」「は」「に」等、言葉を繋ぐ部分がこの程度であれば許容範囲だと思います。
ここで接続詞を減らしてみます。


愛している そんな言葉
時には悲しく 響く意味
まるで私を暖めるよう
紅に染まる 空

1つだけ減らしたんですが、これだけでも歌詞というよりは短文的な文章になると思います。
人間的な部分には人間が喋っているような感じがなければ、機械的になってしまいます。


続いて母音と子音ですが、私が選ぶのは有声子音と無声子音においてです。
無声子音とは、そのまま声にならない子音のことです。
KやTなどが代表的ですね。こういうのは破裂音を伴う無声子音となります。
有声子音はNやMなど、声に出す子音のことです。
全ての子音はこの2種類に大まかに分類されます。

これを考えた上で歌詞を作る時ですが、
大抵の人の場合、無理のない範囲ですでに出来上がっているかと思います。
難しく考えず、自分で適当なメロディーを付けて歌ったときに、
歌いにくい場合は子音のバランスが悪いということです。
その場合は単語などを変えるしか方法がありません。
アドバイスするなら、子音がMやNの場合鼻を通る有声子音ですので、
歌ったときに声が篭りがちです。
人によっては♭しやすい子音になると思います。
しかし、ヴォーカルテクニックでカヴァーできる範疇でもあります。

母音に関しては日本語は5種類しかありませんので、
同じ母音が続くことが比較的多いと思います。
難しい知識は私は持ち合わせていませんが、基本的に続いても違和感がない母音と、
違和感がある母音に分かれます。
歌いづらいと感じる場合、母音だけをピックアップして歌ってみると分かりやすいです。
例に挙げた歌詞ですと、

aiieiu onaooa
oiiaaaiu iiuii
aueaaio aaaeuou
ueaiioau oa

となります。
基本的にIとOが続くと歌いづらいかと思います。
また、口の形が似ている母音(UとO等)が続く場合、歌いづらいかと思います。
母音だけでみるとアウトですが、子音を絡ませると違和感がなくなる場合があります。
歌うときに子音で伸ばす等のテクニックを使えば関係なくなることもあります。

長くなりましたが子音と母音に関してはあくまで全体のバランスを見る必要があると私は考えてます。
韻を踏む場合は母音と字数を合わせれば大抵OKかと思います。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

歌詞の作り方&アレンジ方法について

最後ですが、曲についてです。
歌詞と曲の関係はメロディーだけではありません。
リード楽器(ギターやピアノなど)がどのようなラインで動いているか。
これが意外と重要になります。
メロディーラインの邪魔になるようですと、どちらかが避けなければなりません。
案としては楽器をオブリガートとしてメロディーに合わせる等あります。
オブリガートの良い作品としてはサンタナの楽曲を聴いていただければと思います。
オブリガートとは、基本的に何かのメロディーラインに対しての別のメロディーです。
カウンター・メロディとも言う場合があります。

あとは理論的に考えて、裏コードに行ってみるとか、ディミニッシュを使ってみるとか、
テンションコードを何使おうか等で、在り来たりかそうじゃないのかになると思います。
無謀な転調などは理論的に考えるとほとんど避けられます。
窪田ミナさん(例:アニメARIAのOP作曲)という作曲家の方などは、物凄い理論派です。
あとはJazzやフュージョンなんかは理論フル活用している物が多いですが、難解です(汗


色々書きましたが、私は感性が第一だと思って書く人間です。
何を伝えたいのかをまず考え、そこでとりあえず歌詞を作る。
その後、上記のことを考えて削ったり増やしたりします。
歌詞において何を重要とするのかは個々違う物ですので、
自分のスタイルを見つけるのが一番書きやすい方法かと思います。

例えば、1曲を物語として描くのか、
細かい場面を連続させるのかによって、展開の仕方は変わります。
どちらかといえば物語の方が難解です。

あとは英語を歌詞の一部一部に取り入れるかどうか等、色々アレンジ方法はあるかと思います。
ただし、英語と日本語を混ぜる場合は何を伝えたいのかを明確にしていないと、厳しい場合があります。
英文ではなく、英単語で使うと場合によっては効果的だと思います。

あとは、漢字を上手く使うことですね。
歌詞を載せる場合、この漢字でこう読むんですっていうのを上手く使うと意外と評判が良いこともあります。

閲覧数:13,625

投稿日:2008/04/22 02:04:25

文字数:1,735文字

カテゴリ:その他

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  • ハル-spring man-

    ハル-spring man-

    ご意見・ご感想

    >チューハイさん
    初めまして、ありがとうございます♪
    参考にしていただければと思いますが、
    一番は私の考え方に捕われず、チューハイさんの個性を生かせる方法を見つけるための布石になればと思います。

    2008/04/21 01:07:01

  • チューハイP

    チューハイP

    ご意見・ご感想

    はじめまして。
    簡潔でよくまとまったナイスな考察ですね。めったに作詞はしませんけど、次につくる機会には参考にさせてもらいたいと思います。

    2008/04/10 22:50:02

  • ハル-spring man-

    ハル-spring man-

    ご意見・ご感想

    コメントありがとうございます、参考になればと思います。

    私はメロディーと歌詞を同時に書くので、こういう作り方になってしまいます。
    詞先行で書く場合でしたら、物語の作り方に重点をまず置くといいですよ。
    サビを先に作ると言ってましたよね?

    それであればサビに対してのアプローチを色々考えていく形になると思います。
    母音や子音に気をつけるのは最後で構わないので、とりあえず物語をどういう風にするかです。
    聞く人に伝えやすい。これが歌詞で最も重要なことです。

    いくら素晴らしい物語を書いても、人の心に残る何かを伝えれなければ、それは歌詞としては成り立ちません。
    ただの小説です。
    そこにまず気をつけて書いてみてください。

    何事も、自分自身の満足のためではなく、聞く人のためを考えるんです。

    2008/04/09 04:37:56

  • Danzig

    Danzig

    ご意見・ご感想

    掲示板にコメントありがとうございました。
    いろいろ勉強になりました。
    なかなか難しいですね。
    私にそこまで出きるかどうか分かりませんが・・・・

    2008/04/09 03:44:52

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