私は、黒猫。名前はリン、まぁ、その名前をつけてくれた唯一の主人ももういないけど。                                                  


まっくろこげ、まっくろこげ。                                           


「わぁ・・・黒猫だよ・・・。行こう・・・?不幸になっちゃうよー!」                               

そう、目の前の少女が笑いながら横の男に言った。そうね。私は不幸の象徴よね。                    


「うん・・・いこっか。」                                                             


えぇ、そうして?目障りよ。                                            


ポツ・・・ポツ・・・                                            


雨が降ってきた。その雫は灰色のコンクリートに、黒い染みを作った。あぁ、さっきまでは透明だったのに。私がどうでもいいような思考を巡らせていると上から布が降ってきた。これは・・・タオル・・・? 

「あぁ・・・こんなにぬれちゃって・・・。」                                 

タオルで私をゴシゴシすると、私を抱き上げどこかへ連れて行こうとした。触っちゃだめだよ。不幸が移っちゃうよ。                                                        

「おわっ!!おいおい、暴れんなよ・・・?」                                           

「フミーッ!!!」                                                

「はいはい、分かりましたよー。」                                                                 

分かってないでしょ。あったかい・・・あ、なんか眠い・・・。                             



ん・・・ポカポカするなぁ・・・。                                          

「フミー・・・。」                                                       

「あ、起きたのか。待ってろ、今ご飯もって来てやるからなー。」                          

目の前にいる金髪の男は私にそう言った。                                           

「はい、にぼし。」
                                                         
「フミッ!」                                                   

私の大好物じゃにゃいか!                                             

「わっ!おまえ、よっぽど腹減ってたんだな・・・。」                                   

彼は笑いながら、私を撫でる。                                               

「みゃあ!」                                                  

「くすぐったいぞ!あっ、そうだ・・・」                                        

「ミー?」                                                               

「名前、決めないとな!」                                               

名前・・・?それは、愛されている猫につけられるものでしょ?私なんか・・・。                     

「うーむ・・・うーん・・・んー・・・。」                                           

唸ってちゃ分からん。                                                     

「あ!そうだ!リンにしよう!はい、決まり!!」                                    

「ミー・・・。」                                                

「なんだー?なんか不満でもあんのかー?」                                              

ないよ・・・でも・・・私は不幸の象徴なのに・・・。                                               

「ミー!」                                                              

「そうか、そうか!」                                                          





ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

私は、黒猫

猫リンちゃんです。

閲覧数:487

投稿日:2011/05/27 21:19:04

文字数:2,409文字

カテゴリ:小説

  • コメント6

  • 関連動画0

  • ユラ

    ユラ

    ご意見・ご感想

    あぁ・・・感動する・・・・息が詰まる・・・レン・・・・・・やさしかったね・・・えぐっうぐっ
    リン・・・猫・・・・そういえば友達の家の子猫が3匹天国へ・・・だめだ泣いてしまう
    リン・・・一緒に住む?私殆ど一人暮らしだし・・・私猫大好きだから。超好きだから!死ぬほど好きだから!(黙れ

    2011/11/24 01:18:42

  • 雪葉

    雪葉

    ご意見・ご感想

    大丈夫だっ私は黒猫2匹いるんだよ!奇遇だね、私もぬこの名前リンとレンだよ!
    私はこの世に幸せも不幸もないと思います。なのこさんはどう思いますか?

    2011/10/28 19:55:30

    • なのこ

      なのこ

      猫・・・飼いたいけど親が許してくれない・・・チキショー
      愛が伝わってきますね。

      それはあるかもしれませんね。
      幸せと不幸にも種類がある気がします。

      2011/11/21 20:01:52

  • アンジュ×ディヤブル

    アンジュ×ディヤブル

    ご意見・ご感想

    私も猫大好きです!
    さあリンちゃん、私達のとこへおいで!
    みんなで可愛がってあげるよ!!      byディヤブル★

    2011/05/28 20:31:12

    • なのこ

      なのこ

      紅華116さん                                                

      ふんもっふ!←                                              

      ミクのとこには行きませんリンちゃんは野良に戻るのです                          

      リンちゃんは懐くとめっちゃかわいいですよ                                 

      アンジュ×ディヤブル                                                   

      よかったね!リンちゃん!黒猫だからって卑屈になることはないんだ!                        

      ディヤブルさん天使・・・!                                     

      2011/06/01 17:27:44

  • 紅華116@たまに活動。

    黒猫大好き!!!もふもふした感じが大好きです!!
    犬も好きだけど、猫も好きです! 犬を飼っているので猫は買えないけど…

    リンちゃんが欲しい…
    ミクのところに行くくらいなら私の家においでよ←

    2011/05/28 13:45:32

    • なのこ

      なのこ

      紅華116さん                                                

      ふんもっふ!←                                              

      ミクのとこには行きませんリンちゃんは野良に戻るのです                          

      リンちゃんは懐くとめっちゃかわいいですよ                                 

      アンジュ×ディヤブル                                                   

      よかったね!リンちゃん!黒猫だからって卑屈になることはないんだ!                        

      ディヤブルさん天使・・・!                                     

      2011/06/01 17:27:44

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