【第二話】



ずっと俯いて何も喋らなくなった私に未来さんは、

「凛ったら、元気だしなって!
 ほら、もう帰ろ!」

「はい、そう...ですね」

わざと私は笑顔を作って
出て行く未来さんを追いかけて行った。

「あ、そういえば立ち入り禁止の崖知ってる?」

未来さんはわざわざ
明るい声で話しかけてくれる。

「え、えと、あの崖ですか?」

私はすぐ先に見えるよくドラマの最終回(サスペンス系の)
なんかで使いそうな崖を指さす。

「そうそう、あれあれ。
 知ってる?

 ――――あの崖から願いを込めて飛び降りると、望んだ時空へ行けるんだって!」

私は一瞬、ぽかんとした間抜けな顔で
未来さんを見つめた。
この人は何と言った?
望んだ時空に行ける?

「それってあれですか、
 迷信とか言い伝え的な...?」

「さあ?琉華から聞いたから
 よくわからないけど...」

未来さんは、うーんと腕を組み
首を傾げながら言う。

「あ、琉華さんって...」

言いかけたところで
誰かにぽんっと肩を叩かれた

「やほっ、こんなところで何してるの?」

琉華さんだ――――。

「あ、丁度いいところに
 今あの崖のことについて話してたの。」

未来さんがくるっと
琉華さんの方へ向いて話しかけた。

「あ、あぁ...あの崖ね。
 未来も凛もあの崖には近づかない方がいいよ」

琉華さんは曖昧に何かを誤魔化すように
ニコッと笑いながら言った。

「どうしてですか?」

そういえば、いなくなった張本人、私の双子の弟 
蓮もそんなこと言ってたような、言ってなかったような、
『あの崖には近づくな、危ないから。』とかなんとか。

「えぇっとね、あの崖は毎年負傷者が出てて
 危ないの。立ち入り禁止の看板も立ってるでしょ?」

困ったように微笑みながら私たちを見る。
さすが、琉華さん。
困った顔もお綺麗です、じゃなくて!
なんか、琉華さん、嘘ついてる。
失礼かもしれないけど、そんな気がする。

「そうだねー、凛も危ないから近づいちゃダメだよ?」

未来さんは気づいてない。
私の思いは届かず、うんうんと頷いている。

その時、「あ」と琉華さんが呟いた。
それで、私達の顔を見てニッコリ微笑みながら、
「それじゃ。私もう帰るね。」

と、琉華さんはそそくさと帰っていった。

「相変わらず綺麗だね。琉華は。」

未来さんが関心したように頷きながら呟く。

「そうですねー。」

「え、そこって『未来さんも綺麗ですよ』って言うところじゃないの!?」

「あ、そうでしたね、未来さんも...」

言いかけようとしたとき
未来さんの手が口に思いっきり飛んできた。
つまり、口を塞がれたのだ。
く、苦しい…

「もう、いいっ、なんか、私が言わせたみたいで嫌っ!」

片手で目を押さえて
泣き真似をしながら叫んだ

叫ばなくてもいいのに... しかも
『だって、未来さんが言ってって言ったようなものじゃ...』

と言いたかったのも、口を塞がれて言えなかった。
何も反応しない私に飽きたのか未来さんは、

「まあ、いいよ。許してあげる!
 あ、そういえば蓮って琉華のこと好きだったんじゃなかったっけ?」

と、ぱっと口から手を離した。
ていうか、ゆ、許すもなにも私何にも悪いことしてないよね...?

「はい、そういえば、そんなこと言ってましたね。好きって。」

今此処にいても叶いそうにない恋だけどね。

それから、私に気を使ってか
蓮の話をあんまりしなかった。

いろんな話をしているうちに家の前に着いた。
正直安心した。早く一人になりたかったから。
ゴメンね未来さん。

「それじゃ、じゃーねー」

呑気に手を振って私の隣の家へ入る私の想いなど一ミリも知らない
(いや、もしかしたら知らないふりをしているかもしれない)未来さん。
そして、未来さんは私のお隣さん。

ただいま、と言っても返事のない
寂しい玄関から私の部屋へと入った。

ぼすっと、ベッドへ寝転がると私は考えた。

あの崖から飛び降りれば、
あの頃の蓮へもう一度会える?
消えた、真相を確かめられる?

でも、あそこから飛び降りて
過去へ行ける保証はない。
もしかしたら、死んじゃわないよね…?

どうしよう...

私は琉華さんと話をした後、
ずっとそのことを考えてた。

色んな考えが頭をよぎる。

    ・・・

あぁ、もうっ!
やらなくて後悔よりは、
やって後悔の方がマシ、絶対。


―――――――― 決めた。 私、蓮に会いに行く。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

TimeSlip.

新キャラ登場/*

琉華=巡音ルカ

蓮=鏡音レン

です。

宜しくお願いしますヾ(*´∀`*)照

ちなみに前作の 「君」 は 蓮ですので(。・ω・。)泣

わかりましたかな?

なぁんか、物足りないんだよなぁw
ちょいとアドバイスくださいな!

「ため」も必要っぽいですよね…Σ(゜д゜lll)

閲覧数:146

投稿日:2012/08/01 11:29:01

文字数:1,902文字

カテゴリ:小説

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  • しるる

    しるる

    ご意見・ご感想

    なぁんか物足りないのか~ww
    でも、とんとん話は進んでるし、必要なところはちゃんと書いているような気がするよww

    あどばいす……「君」というのを伏せ続けるというのも、一つの手かもしれませんw
    いやまぁ、リンちゃんが「君」や「彼」と言った場合、大抵の場合、レン君だってわかっちゃいますけどww
    それを裏手にとって、カイト兄だった!とかも有りなわけですね~ww

    2012/09/18 16:06:14

  • イズミ草

    イズミ草

    ご意見・ご感想

    わかったZ!!!ww

    話がとんとん拍子ですなあ。。。
    で、もしかして蓮はその崖から落ちてたりしちゃったりしちゃったりして???w

    あ、死んでるのか。(決めつけw

    2012/07/31 20:52:40

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