6月ハーモニー 双子蜜柑 そのいち
私とレンが高校に入学して初めての梅雨の季節がやってきた。
だから今は6月。
そして制服は衣替えの時期で、長袖から半そでになった。
半そでは動きやすくて好き…
長袖から半そでに変わり、私は気分が良かった。
だから黒に近い灰色の曇り空が雨を降らせているが、気分は暗くない。
ザアァァァ…
授業が終わり部活の時間になり、演劇部の部室から窓の外の雨を見ていると
「リ~ン。ダンボールの中から劇で使うカツラが出てきたよ~」
同じ学年の女の子の友達が、2つのカツラを持って話しかけてきた
1つは茶色のロングのカツラだが
「リンはこっちの方が似合いそうだよね?同じ色だし~」
1つは私の髪と同じ色したロングのカツラを友達が渡してきた
「あっ、本当だー!同じ色してるー!貸して貸して!!」
友達からカツラを渡されて被ると
「あっ!いいじゃん!似合ってる似合ってる!!」
「えっ!?本当っ!?鏡ある?鏡!!見てみたい!!」
「待ってて!鞄に入ってるから取ってくる!」
友達は自分の鞄のところに行き、ゴソゴソと漁った。
私は自分のお腹のところまである髪を触りながら
何か変な感じ…でも何かいい!
好きだから短い髪にしてるけど、密かにミク先輩のような長い髪に憧れている。
すると友達が鏡を持ってきて
「はいっ!鏡!」
鏡に映っている私は
「わぁー!髪が長くなってるー!何かいいー!」
「長い髪のリンって新鮮だね~いいじゃん!」
「私って長い髪も似合ってない!?あっ!ミク先輩どうです!?」
カツラのことで友達とはしゃいでるとミク先輩と目が合ったので聞いてみた
「あ、結構…似合ってるね…大人っぽいよ」
部長のサトミ先輩に髪を三つ編みにされてる先輩が褒めてくれた
「本当ですかー!?わーい!私もミク先輩のように髪伸ばそうかなー?
後でレンにも聞いてみよ~あっ、サトミせんぱーい、これ借りていいですか?」
髪が長い私を見たら、レン何て思うかな~?
「まぁいいけど…絶対に壊したりするなよなー」
「はーい!絶対に壊しませーん!」
サトミ先輩に了解を得たので自分の鞄にカツラをしまった
今までずっと長い髪にしようかな~って考えていたけど、なかなか伸ばせ
なかったからいい機会だ~
これでレンが長い髪も似合ってるって言ってくれたら伸ばしてみようかな?
伸ばせばちょっとは大人っぽくなれるよね?
楽しみだな~いっつもみんなにはレンと一緒に子供扱いされてたから、
これで女の子として見られるでしょ。
髪を伸ばしたら、着たかったあの服とかも似合うだろうな~
髪を伸ばした自分を想像して楽しんでいると
「じゃあ今日はこの辺で帰りましょっか?」
ミク先輩の髪で丸い輪を作ったサトミ先輩が部活終了を告げた
「そうっすね~」
「は~い」
「ん~じゃあね~」
「ミク先輩?何すか?その髪型」
友達や先輩がそれぞれ出て行ったので
「サトミ先輩!ミク先輩!一緒にメゾールに行きませんかー?」
駅前のショッピングモールに誘った
「そうだね、行くか…ミクはどうする?」
サトミ先輩はOKしてくれてミク先輩に聞くと
「いいけど、サトミ…まずこの髪を直してよ…」
かなり微妙な顔をして髪を揺らしたミク先輩が返事した
「え~?そのままでいいんじゃない?結構いいと思うよ?」
そう言って私とサトミ先輩が部室を出て行くと
「誰が見ても変でしょ…片方はそのまま下ろしてて、
片方がリース(クリスマスの直径40cmぐらいの輪)みたいになってるじゃん」
私達の後を追いながら、ミク先輩が自力で髪を解こうとするが
「痛てててっ!!絡まった!助けてサトミ!!」
髪の毛が絡まってしまって、うつむいてしまった
「あぁ~ちょっと待って!いま解くから!」
サトミ先輩が痛がるミク先輩に近づいて髪を解き始めた
「動かないでね~まずは上を止めてるこのゴムを…」
「ちょ!痛い痛い痛い!!もうちょっと優しくやってよ!!」
ミク先輩は下を向いて
「優しくやるから胸を掴むんじゃねぇー!!!」
両手でサトミ先輩の胸を鷲掴みにしていた
「私と同じぐらいか…」
「うるさいよ!!」
サトミ先輩がミク先輩のリースを三つ編みにすると
「ん~じゃ、メゾールに行きましょっか…」
「は~い」
私を誘うので、サトミ先輩の後を追うと
「いやいやいや、これも解きなさいよ…」
三つ編みを指差してサトミ先輩ににそう言った
「え~?何でよ~?」
それから2人が色々と言いあっているとミク先輩の後ろから
「あ、ミクちゃんだ…」
男の人がミク先輩を呼んだ
あれ?あの人って確かサッカー部の先輩で……
「うぇ、海斗先輩…」
サッカー部専用のバッグと鞄を持った海斗先輩がいた
そうだそうだ!あの人って確かサッカー部の海斗先輩だ!
あれ?でもなんでミク先輩と話してるの?ミク先輩は合唱部を辞めて
演劇部に来たわけでしょ?接点なんて……無いはずでしょ?
私が疑問に思ってる間、ミク先輩は海斗先輩と親しげに話してて
「気にしないで下さい…サトミ、早く元に戻して」
サトミ先輩にに振り返りそう言うと
「いいけど…2人の関係について聞いていーい?」
私も気になってることをサトミ先輩が聞いてくれた
うんうん、どんな関係なんですか?
「え~っと、俺はミクちゃんが好「先輩と後輩!以上です!!」
海斗先輩の言葉をミク先輩が遮断して、海斗先輩を睨んだ
ミク先輩は何でムキになってるの?
「ちょ!そんな目で見ないでよ!」
「ふ~ん?でも海斗先輩ってサッカー部ですよね?接点がないよね~?」
キョどる海斗先輩、追及するサトミ先輩
うんうん、どこに接点があるんですか?気になります!
「え~っとね、流香先輩って知ってる?俺は流香先p「つまりは流香先輩
から私の話を聞いて、私にサッカー部のマネージャーをやってと誘ってきた
ことがあるわけなの…合唱部のことは話したでしょ?
海斗先輩は流香先輩と子供の頃からの知り合いでよく話してたんだって。
それで合唱部のことを知って1人になった私に声かけてきたってわけよ。
なんかサッカー部はマネージャーが少ないらしいってことでね…
だから特に付き合ってるとかじゃありません!分かった?」
またも海斗先輩の言葉は遮断された
流香先輩とゆう私が知らない名前の先輩が出てきた
合唱部の先輩かな?でも合唱部はミク先輩だけだったらしいし、じゃあ
卒業した先輩かな?その流香先輩から話を聞いて、海斗先輩はミク先輩に
サッカー部のマネージャーを頼んだと…ふ~ん…
でもそれにしては、さっき…
「でもさっきミクちゃんって呼ばれてなかった~?あれは何でよ?
仲良くないと下の名前で呼ばれないでしょ~よ?」
サトミ先輩はしつこかった
何でなんですか?教えて下さい
ちなみに私は海斗先輩が来てから一言も話してなく、傍観してる
「流香先輩が海斗先輩に話してるとき、私の事をミクって言ってたからよ…
分かったでしょ?はいっ!さっさと髪を元に戻しなさい!!」
ミク先輩が怒ったためかサトミ先輩は
「なぁ~んか隠してるなぁ~まぁいいや…ほれっ」
と三つ編みの先のゴムを外して
「お、サイドテールってやつ?いいじゃん!」
「……サトミ…早く元に戻して…」
「へいへい…いま元に戻してますよ~」
海斗先輩、ミク先輩、サトミ先輩の順で話して、手際よく髪を元に戻してる。
ん?ミク先輩は何で顔が少し赤いんだ?
「ほ~い、いつも通りミクちゃんで~っす!」
そう言われ、いつも通りの髪型になったミク先輩が顔を上げると
「そんでさ、さっきも聞いたけど、いま帰りなの?」
海斗先輩が2人に聞くと、サトミ先輩が
「はい。私とリンはメゾールに行くので、ミクは海斗先輩にあげます!」
3人でメゾールに行くはずだったが、2人になった。
あぁ…そうゆうことですか…海斗先輩とミク先輩を2人にするため…
ミク先輩はサトミ先輩に詰め寄り
「は?なに言ってるのサトミ!?一緒に行くんでしょ!?」
サトミ先輩はそれを無視し、海斗先輩に
「海斗先輩は何かミクに用があるんじゃないですか?どーぞ~」
笑顔でそう言った。すると
「あ、ありがとう…まぁ用があると言えばあるし…」
海斗先輩が少し照れた感じで返事した
「そうゆう事なんで、ミク、そんじゃ~ね。行こっか?リン」
サトミ先輩が私と帰ろうとするので
「え?ちょ、ちょっとサトミさん!?」
慌てて私達を呼び止めるミク先輩
「ミク、用があるんだから聞かないのはさすがに駄目でしょ?
私達とはいつでも帰れるんだし~~ね?」
とってもいい笑顔で答えてるな~
「まぁそうだけどさ…」
少し困った顔したミク先輩に
「じゃ~ね~」
「ミク先輩、さよ~なら~」
私達は手を振って別れた
私達は下駄箱で靴を履き替えて校舎を出たので
「サトミ先輩、あの2人を2人きりにするためにあんな事を言ったんでしょ?
でもなんで一緒に行こうって言わなかったんですか?
4人でメゾールに行くのでも良かったんじゃないですか?理由が分かんない」
私が疑問を訪ねると
「はぁ~、リンは分かってないわね~話を聞いて分かんなかった?
つまり海斗先輩はミクの事が好きなのよ。サッカー部のマネージャーに
誘われたって言ってたでしょ?わざわざミクを誘うのは何故?
いま帰りって聞くのはどうして?」
意外と聡いサトミ先輩にそう言われて
「そ、そーゆーことだったんですか!なんとなくそんな感じはしてたけど…」
驚いてる私に
「おそらくミクに話があると踏んで海斗先輩に聞いたら、案の定、そうゆう
ことで話があるってことで2人っきりにしたってわけよ…
さすがに私達がいる前じゃそんな話はできないでしょ?デートして~とか…
そんな話は海斗先輩もできないだろうし、ミクも聞かれたくないでしょ?
だから2人っきりにしたってわけよ…私って、大人…」
自画自賛しながら自分の考えを教えてくれた
その割りにはさっきしつこかったと…
「そうだったんですか、そうですよね…そうゆう事は2人だけの話に
したいですもんね…誰でも。」
大事な話だもんね、と私が納得すると
「まぁでも私が見る限り、あれは海斗先輩の片想いね~
ミクは…多少の脈ありって感じかな?でも今までの中でも一番の脈ありね…」
そのサトミ先輩の言葉が気になった
「一番の脈あり?ってどうゆうことですか?そういえばサトミ先輩と
ミク先輩は中学が同じなんですよね?今までそんな話はあったんですか?」
サトミ先輩は私をチラッと見て
「そうだよ~中学から一緒~だから合唱部の先輩達のことも知ってるけど…
まぁそれはいいか…もう卒業しちゃったし…
え~っとね、中学から今までそんな話は無いね。私もミクも。
まぁ私は中学の時から劇の脚本を書くことだけ考えてて、男はいらん!ってゆう
考えだから…まぁ、興味なくは無いが…面倒くさそうだからいい…
まぁミクもずっと合唱部で忙しかったし、しかも恋愛禁止令が出てたから
恋愛ができなかったんだけど…」
「恋愛禁止令!?そんなのがある部活だったんですか!?」
「でもミクのことが好きな男の子って結構いたんだよ?髪は長いし、
可愛いし、しかもあの子ってけっこう純粋だからね~だから陰ではモテてた。
でもあの子って男の子のことがちょっと苦手なのよ…
なんでも小学校の頃からず~っと女の子としか遊んだことが無いらしくてね?
ほとんど男の子と話したり遊んだりしたことが無いらしいわ。
あっ、私は小学校が違うからこれは聞いた話ね。だから中学校に上がっても、
男の子って何を考えてるか分かんないって言ってあんまり話さなかったのよ。
だから男の子には自分からは全く話しかけなかったし、避けてたわね。
でもそのままで高校生になるのは駄目だと私がミクに言ったら、
そうかな…駄目かな?と言って、あれは可愛かったぜ…モジモジと上目で…
おっとゴメン…関係ないことを言っちまった…
んで、一緒の高校に入ったから、1年の間は私と一緒にクラスの男の子と
話して慣れさせたのよ。まぁほとんど私が話してたんだけどね?
ミクは私の後ろで聞いてる感じだったけど、なんとか慣れていったのよ。」
「はぁ~そんなことがあったんですか…」
ミク先輩の意外な一面に驚いた
「その他にもライトノベルを大量に読ませたりとかしたわね~
私の家に腐るほどラノベがあるから、男の子を知りなさいって言って貸して、
こんな男の子がいるんだ~とか、男の子ってこんなこと考えてるんだ~って
言うミクの反応は見てて面白かったわ~」
微笑んでいるサトミ先輩に軽く引いてしまった
「は、はぁ…そんなことしたんですか…」
「まぁでも一番効果があったのは私の弟とのやり取りかな?」
上を見てそう言う先輩に
「えっ?サトミ先輩って弟いたんですか?初めて聞きました…
それでどんな事をしたんですか?ま、まさか付き合ったとかですか?」
年下と付き合ったの?しかも友達の弟かよ!?
先走った考えで驚いていると
「んな訳ないでしょ…」
先輩が呆れたところでメゾールについた
私達は傘をたたんでメゾールに入り、1階のアイス屋に向かった
6月ハーモニー 双子蜜柑 その1
6月ハーモニー 双子蜜柑 その1です。
そういや初恋メロディが5月の話だって書いたっけ……
まぁいいや…
コメント0
関連動画0
オススメ作品
「彼らに勝てるはずがない」
そのカジノには、双子の天才ギャンブラーがいた。
彼らは、絶対に負けることがない。
だから、彼らは天才と言われていた。
そして、天才の彼らとの勝負で賭けるモノ。
それはお金ではない。
彼らとの勝負で賭けるのは、『自分の大事なモノ全て』。
だから、負けたらもうおしまい。
それ...イカサマ⇔カジノ【自己解釈】
ゆるりー
ミ「ふわぁぁ(あくび)。グミちゃ〜ん、おはよぉ……。あれ?グミちゃん?おーいグミちゃん?どこ行ったん……ん?置き手紙?と家の鍵?」
ミクちゃんへ
用事があるから先にミクちゃんの家に行ってます。朝ごはんもこっちで用意してるから、起きたらこっちにきてね。
GUMIより
ミ「用事?ってなんだろ。起こしてく...記憶の歌姫のページ(16歳×16th当日)
漆黒の王子
(Aメロ)
また今日も 気持ちウラハラ
帰りに 反省
その顔 前にしたなら
気持ちの逆 くちにしてる
なぜだろう? きみといるとね
素直に なれない
ホントは こんなんじゃない
ありのまんま 見せたいのに
(Bメロ)...「ありのまんまで恋したいッ」
裏方くろ子
chocolate box
作詞:dezzy(一億円P)
作曲:dezzy(一億円P)
R
なんかいつも眠そうだし
なんかいつもつまんなそうだし
なんかいつもヤバそうだし
なんかいつもスマホいじってるし
ホントはテンション高いのに
アタシといると超低いし...【歌詞】chocolate box
dezzy(一億円P)
ポッピンキャンディ☆フィーバー!
作詞・作曲 キノシタ
あの日忘れた夢色も 昨日謳った涙色も
有り体に言えないね だからとっておきの魔法をかけよう
キャラメル・キャンディ・チョコレート
お洒落でカワイイティータイムは なんか疲れちゃいそうだし
アゲアゲで行こうよ(アゲアゲ!)
コツは楽しんで楽し...ポッピンキャンディ☆フィーバー! 歌詞
キノシタ
*3/27 名古屋ボカストにて頒布する小説合同誌のサンプルです
*前のバージョン(ver.) クリックで続きます
1. 陽葵ちず 幸せだけが在る夜に
2.ゆるりー 君に捧ぐワンシーンを
3.茶猫 秘密のおやつは蜜の味
4.すぅ スイ...【カイメイ中心合同誌】36枚目の楽譜に階名を【サンプル】
ayumin
クリップボードにコピーしました
ご意見・ご感想