雨に濡れない理由を知りたかったの
欲しいものは見つからなくってでも
何かが光って見えた気がするから
閉ざされた鎖を跨いで遠く遠くへ

カナリアの声を聞く前に眠ってしまう
再生ボタンはどこにでも転がっているけど
回らなくなったディスクもテープも
声は私が出すしかない外へ外へと

鍵の束はもう持ちきれなくなったから捨てた
開けられなくなったのは扉のせいじゃない
最初から何もなかったことに気付けなくなった
生まれたてのまま居たいけれど小さく終わってく

指輪ばかりの持ち物リスト
両手にいっぱい付けてもまだ持てる


風に負けない理由を探したかったの
朽ちるものは助からなくってでも
誰かが叫んで呼んだ気がするから
解けないロープをくぐって遠く遠くへ

アザレアの色を見る前に迷ってしまう
OKボタンはどこまでも繋がっているけど
進まなくなったCapsもLockも
歌は私が逃がすしかない上へ上へと

針の山はもう差し込めなくなったから捨てた
終わりがなくなったのは涙のせいじゃない
いつもなら君を送った後に忘れなくなった
手持ち札のまま居たいけれど誰かを奪ってく

値札ばかりのゴミ箱リスト
金額いっぱい書いてもまた消える


本箱は木の板で埋まってくのに
色あせたのは記憶と笑顔だけ
花火だけがみんなを眺めていて
寂しそうな月が手を伸ばしたけど

気持ちをレバーで動かしてみたら
穴の開いた紙が巻き戻されてく
ベルトコンベアに寝転んだ夢は
再生不可能な未使用エネルギー

瞼の裏で聞こえた話し声の主は
物足りなさそうに愚痴ばかりこぼす
手を繋いであげるって言ったのに
振り払って足音が聞こえなくなった


ごめんね
まだ完成してないんだ


鍵の束はもう持ちきれなくなったから捨てた
開けられなくなったのは扉のせいじゃない
最初から何もなかったことに気付けなくなった
生まれたてのまま居たいけれど小さく終わってく

針の山はもう差し込めなくなったから捨てた
終わりがなくなったのは涙のせいじゃない
いつもなら君を送った後に忘れなくなった
手持ち札のまま居たいけれど誰かを奪ってく


ボタンもレバーもスイッチもペダルもハンドルも
誰かを動かすことが出来なくなってしまった
どこかへ動かすことが出来なくなってしまった
残されたのは小さな小さな小さな声と微かな歌

ごめんね
まだ完成してないんだ


途中までなら
ここで
いますぐに