「レ、ン・・・?」
月明かりが目立つ頃、彼女は僕に向かってそう言った。
かたかたと体を震わせ、僕を見つめている。
どうしたの?なんでそんなに怯えているの?
僕が一歩近づくと、彼女は一歩下がっていく。
「あ・・・!」
トン、と彼女の背が壁につく。
僕はにっこりと笑った。
「きゃ あ ああああああ あ あ!!!」
ザーザーと降り止まない雨は、僕と彼女を冷たく濡らしていく。
真っ赤な愛の証が、雨に混じって溶けてゆく。
「ははは・・・っ、これでやっと・・・、君は僕のモノだよ?もう、僕しか見れないようにしてあげたからさぁ・・・・。ちゃぁんと、イイコにするんだよ・・・?・・・じゃないと、今度は殺しちゃうかもよ・・・?」
「いや・・・」
彼女は、流れる血を必死に拭いながら、小さくそう言った。
僕はそれを聞き逃さなかった。
「・・・嫌?何が嫌なの?・・・ねぇ、なんで僕じゃダメなの?なんであいつがいいの?ねぇ、何で?・・・答えて・・・?」
僕は彼女の頬に優しく触れると、そう言った。
彼女は、ただ目を大きく開き、僕の顔を見ていた。
その目には、「シラナイダレカ」が映っていた。
真っ赤に染まって、嫌な笑顔を顔に貼り付けた「ダレカ」が。
「・・・駄目だよ?ちゃんと答えなきゃ。・・・ワルイコには、ちゃぁんとお仕置き、しないとね・・・?」
彼女は荒い息を懸命に押さえながら叫んだ。
「や・・・助、けて・・・。助けて・・・!助けてええぇ!カイ・・・」
しん、と辺りが静まりかえる。
彼女は、ぐったりと壁にもたれ、瞳を閉じている。
「・・・は、はは・・・っ」
僕は笑っていた。
何がそんなに可笑しいのか分からないけど、ただ僕は笑っていた。
閉じられた瞳が開くことは、もう、2度とない。
遠くで雷鳴が聞こえた。
「ははっ、あはははははっ!」
暗い道に、僕の狂った声だけがやけに静かに響く。
どうしてだ?
何故こんなことになった?
ただ笑ってくれればそれで良かったのに。
ただ僕を見ていてくれればそれで良かったのに。
あいつなんか見る、君が悪いんだよ。
「レン、あたしね、カイトが好きなの。」
「ねぇレン、協力してくれない?」
「あ、レン!聞いて聞いてっ!カイトと付き合うことになったの!」
「あのねレン、今日カイトがね・・・。」
「ははははっ・・・、これでもう、君は「 」なんてあいつの名前なんて呼べないよ・・・。呼べるのは、僕の名前。・・・それ以外は、いらない。・・・僕と君さえいれば、それで良い。」
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