貴方の大事な人は誰ですか?
恋人ですか?
家族ですか?
いや、自分自身でしょうか?
まさか、いらっしゃいませんよね?
悪魔を好きになってしまったなどとおっしゃる方は…。
丸く大きくかつ赤く染まった月が、暗い夜道を怪しく照らし出していた。街灯の光よりもずっと強い光を柔らかく星々を引き立てているようにも見えないこともないが、真っ黒の空から浮かび上がるアカはとても強く見えた。
ここは現実世界とは少しずれた異世界。
現実世界では夢物語であろうとも、この世界では当たり前。逆に現実世界での当たり前は、このせかいでは可笑しいといわれることもあった。
今回の主人公は小さな女の子。
小さな女の子の年は十四。この世界では一四になる誕生日の日、一度だけ自分の使い魔を召喚することが許される。使い魔というのは現実世界で言う“悪魔”や“天使”、“精霊”や死者の魂などのことだ。
今日こそが、カノジョの聖誕祭だった――
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もっと見る-黒-
彼女は大きな屋敷に住んでいた。
というのも、彼女はこの世界で上位に着く大賢者の一人娘で、とても大事に育てられてきた、お嬢様なのだ。お嬢様の名はリン。金髪と蒼目のかわいらしい少女であった。
屋敷の庭の片隅に小さな円と六芒星、何か意味ありげな文字の羅列が描か...鏡の悪魔 2
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-監禁-
考えてみれば。
ふと、レンは思う。
毎回毎回、こんなクダリでのこのこと敵前に進み出ては、毎回毎回こんな風に捕らえられて、毎回毎回酷い目に合っている気がする。それでもって、多分この後レオンとかその辺りと面会ターイムに入って、何か危なくなって、リンとかが入って...鏡の悪魔Ⅲ 10
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-紫-
「レン、起きて!ねえ、起きてってば。学校に行くの、一緒に来てよ!」
「はぁ?何で俺が!」
「命令!」
起きて着替えるなりリンは指輪を思い切り振ってレンを無理やりに呼び出して、そういった。無論、レンはそんなわけが分からないものは嫌に決まっているが、そんなこと...鏡の悪魔 3
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-REUNION-
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-序-
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-不満-
――何も。
可笑しい、何もおきない。
ただレオンの住んでいるという館に入って、客間に通されるとすぐにリンやレンと同じくらいの年齢であろう、長いストレートの髪の少女が紅茶を入れたポットと四つのティーカップを持ってきた。
怪しいくらいに何も起こらず、初...鏡の悪魔Ⅲ 7
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